[シャンバラ]
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やってみて初めて知ったのだが、ヨガと言うものはかなりハードなエクササイズだった。
俺はマサさんの指導による修行法の他に、キムさんのボディガードの連中の空手道場にも顔を出していたが、キツさの質が異なり、かなり堪えた。
入校前、料金の割りに短いと思った週1回60分という初心者クラスの時間も、運動経験のない初心者には十分すぎる長さだっただろう。
基本レクチャーの初心者クラス5回を終えた俺は、一般コースへ上がった。
慣れさえすれば体力的に問題はなかった。
一番の難関らしい呼吸法に付いても、細かいポイントは違っても同様のものをマサさんの下で「命がけ」で学んだ俺には問題なく進める事が出来た。
週2回のレッスンが通常の所、ほぼ毎日通ったせいもあるだろうが、俺は早くても1年半、人によっては3年かかると言う上級コースに3ヶ月で到達した。
上級コースに上がって暫くすると俺はインストラクターによる個人教授を勧められた。
この個人教授でどうやら「選別」を行っているのだろう。
俺は、学院長による特別コースの受講を勧められた。
インストラクター達はすばらしい事だと褒め上げ、上級コースの面々は羨望の眼差しを俺に向けた。
特別コース・・・詳しい内容は判らないが、ヨガの奥儀によって「神秘体験」をした会員が多くいるということだった。
特別コースはワンレッスン2名限定で、宿泊費別で一回3万円の連続12回の講座だった。
一般コースから上級コースまでは1レッスン90分で3.000円ほどだが、特別コースを受ける前提要件のインストラクターの指名による個人授業といい、2名限定の特別コースといい、
人の虚栄心や競争心を突いた実に上手い商売だと俺は感心した。

誓約書にサインをすると、泊り込みで12回の特別コースのレッスンが始まった。
レッスンを担当した山佳 京香は写真で見たよりも更に若々しく、妙にそそられる美女だった。
俺とペアで受講した女は、中級クラスでアシスタントをしていたインストラクター候補の特別会員の女だった。
気力や霊力もかなり高そうな様子だった。
どうやら、特別コース受講の可否は、受講生の「金回り」だけが基準ではないようだ。
コースの内容は新しい呼吸法と瞑想が中心だった。
呼吸法のあと、瞑想に入る前に俺達は妙な飲み物を飲まされた。
甘い花の香りとミントの清涼感のあるこの飲み物を飲むと汗が一気に引き、頭がスカッとした。
コースの回数が進むに連れて、丹田や会陰、尾底に「気」の熱が溜まって行くのが判った。
この「熱」を表現するとすれば、正に「性欲」の塊と言ったものだった。
5回目のレッスンに入る頃には、呼吸法に入って暫くの段階で俺は激しく勃起していた。
一緒にレッスンしていた女はレオタードの股間に汗とは明らかに違う液体で大きな染みを作っていた。
さほど広くはない部屋の中に女の発する雌の臭いが充満した。
タマラナイ・・・
間違いなく、これは呼吸法と瞑想によって掘り起こされた情欲だった。

困った事に、この掘り起こされた情欲は一発「抜いて」も収まる事はなかった。
別室で寝ているペアの女もタマラナイ状態になっていた事だろう。
俺は尾底や会陰部に溜まった気を少しづつ抜き出して全身に循環させ、丹田に落として圧縮する作業を繰り返した。
丹田に気を集める事で俺は冷静さを取り戻していた。
それでも、高まった気によって全身は火照りっぱなしだった。
翌日のレッスンでは、レッスンが始まる前から女の顔は上気して足元も定まらない様子だった。
呼吸法が終わった時点で京香の指示で俺達は全裸となってそのまま瞑想を行った。
次の日からは最初から全裸でレッスンは行われた。
レッスン終了後、気を抜き出して丹田に集める作業を行っていた俺は紙一重で理性を保っていたが、女の方は理性の限界だったのだろう。
瞑想が終わった段階で遂に女が俺にしな垂れかかってきた。
俺もそのまま女を押し倒して激しく交わった。
女は正に狂った獣のようだった。俺も獣になっていたが、頭の一点だけは冷静だった。
激しく交わる女と俺の狂態を山佳 京香は、さも当然と言うように冷めた目で見つめていた。
女は何度も達し、俺も幾度となく放ったが、気の昂りは一向に衰えなかった。

続く