[きまり]
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そして、真相を確かめようというより、
霊が見れるかもという期待感が高まり、
みんなで行ってみることになった。
到着すると、写真のせいもあって、
廃虚には不気味な感じが漂っているように感じだ。
全員で11人で、中に入る、外で待つ人を決めている時だった、
廃虚の中から3人の小学生ぐらい女子がいきなり笑いながら
走り出してきた。私たちはほとんど同時に叫びビビッタが
よく見たら”生きている”女の子達で、そして
私たちに”笑いにきたら駄目だよ””赤い毬見つけた教えてね”
と不気味で意味不明なことを言ってきた。
私たちの一人が何してるのと尋ねると、一人の子が
ろれつの回らない早口で”ゆるす許さないの問題じゃなくて
きまりだから、アハハハハ”と言ったというより叫んだ。
3人ともかなり様子が変で、しかも深夜1時ということもあり、
この達は事件に巻き込まれたんじゃないかと思い、
警察に電話しようとしたとき、一台の車がやってきた。
中から中年の夫婦と老婆が降りてきて、私たちのところにやってきた。
そして、夫婦は子供達を車にのせ、老婆が私たちに

「あんたら、はやく帰りなさい、ここはいかん、
この子達は孫で、可哀相におかしいんだ、夜な夜な抜け出して
ここに行く、家から3キロあるのに」
あんたら肝試しはいかんよ、わたしは霊は信じないけど、
この子らみてると辛くてね、おかしくなる前と顔が
他人になってるのよ、かえりなさいよ」

と忠告した。
今思えば、本当に帰るべきだったと後悔しているが
あの時は、その忠告が期待感を高め、その好奇心に
負けてしまった。。それがいけなかった。。。。。

老婆らが帰った後、写真を撮ったグル−プの一人が
自分達が来る前から、あの子達は廃虚のどこかに
隠れていたことに気づいた。
隠れる場所といえば、穴のあいた床下か、仏壇の横にある
押し入れ、または問題の部屋のベット下。。。。
ともかく、そのことの不気味さと恐怖感を抑えて
私たちは6人が部屋の中に入り、5人が外で
万が一のことを考え各車のエンジンをかけたまま
待つことになった。
私は中に入ることになった。
階段は一列にならばないと上れない構造で
私は前から3番目で、上りながら
”こういう場合は、もし霊が出るなら、
じわじわりと前触れがあるんだろうな”
と勝ってに想像していたが、
前の二人(男と女)が部屋に入った瞬間
男の悲鳴とともに
その想像が一瞬に崩れた。。。
私たちは何事かと思い部屋に駆け込んだ。
そしたら、女が虚ろな目で仰向けに倒れており、
くねくねしながら何か呟いていた。
はじめは小声だったが、
いきなり甲高い声で笑い、
「きまりだよ、あはは、きまりだから、
きりはずしても駄目なの、また行くよ」
と叫びはじめた。
私たちは焦り、女を担ぎ、一目散に部屋から
逃げて車に飛び乗った。

続く