[憑き護]
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忘れもしない7/22日
A先生が死んだ。
死因は変死らしいが詳しい原因はわからない。
家で死んでいたそうだ。
ただちょこっと新聞にも載っていた。
(母校バレるんで調べないでほしい。検索かけても出てこなかったから大丈夫とは思うが)
クラスの女子がA先生のこと書いてる、と言って新聞の切り抜きを持ってきていた。
小さな枠に「小学校の教師変死」という見出しで6〜7行書かれてた。
なぜ死んだ日を明確に覚えているかというと
その次の日(7/23)に水泳の授業があって
Bさん、Cさん、俺と、A先生の足を見た友人が
揃いも揃って、プールからあがるとあのA先生についてた歯型がついていた。
足を引っ張られたとか、溝が出てきたとかはなかった。
みんな気味悪がって俺らを避けてくれた。
余談だが、そのせいで
その日楽しみにしてた給食のチーズハンバーグが俺と友人だけなかったのは忘れんぞ!
俺ら自身も気味悪くて
皆で相談して担任に相談しにいった。
担任は俺らの話を聞くなり、すぐに車を出して
どっかの寺に連れてかれた。
「どこ行くの?」とか聞いても「後で話す」の一点張りだった。
寺につくと、急いで本堂のような場所に連れてかれた。
一休さんに出てくるような住職みたいな人に
「こいつらかぁ!こいつらかぁ!」と言われて
TVでよく見る渇を入れる棒みたいなので、俺と友達が肩を叩かれた。
俺はワケもわからずとりあえず怯えてた。
BさんとCさんの方は住職が一瞥して「魅入られたか・・・」
とボソリと呟いた。
その後、俺と友人、BさんCさん、と分けられ別々にお経を唱えられた。
お経の種類が違ったのかもしれない。
お経が終わったあと住職の爺さんに
「人の噂は人の恨みになる。好奇心で近づくな。喋るな。」
と教えられた。妙に心に染みた。
Bさんは残って俺と友人とCさんだけが担任の車に乗って学校に戻された。
そのあと職員室の奥にある応接室の方に連れてかれて
担任から事情を聞いた。
(小五の頃だから詳しいことは聞けなかったけど。)
「ここからは先生の独り言だから、ただの戯言だ。でも口外はするな」
という前置きだった。
子供の俺でもちょっとした緊迫感が伝わってちょっと怖かった。
続く