[憑き護]
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数日経ったある日のこと
俺と友達数人で、さぁ帰ろうかと授業道具をランドセルに押し込んで教室を出た。
廊下の奥の方で誰かがうずくまっているように見えた。
出口に行くにはその廊下を突っ切っていくしかないので
そのまま廊下を進んでいった。
A先生だった。
A先生はなぜか廊下に大量の教材を撒きながら
ペタリと座り込んでいた。うずくまってるように見えたのはこのせいだと思う。

「あら、おはようございます」
A先生は放課後なのに朝の挨拶を俺たちにしてきた。
A先生は気分がいいのかどうかわからないが
授業はどうだ、とか学校は楽しいか、とかいじめはないか、
など色々聞いてきた。

わりと普通に話せる様子だったので
思い切ってA先生に足のことを聞いてみることにした。
ただ、まさか足をいきなり見せてくれとも言えない(恥ずかしいし)
ので、「靴のサイズいくつですか?」とか
子供なりに遠まわしに聞いていった。

なんて言ったのかは覚えてないけど
友達が機転を利かせて足を見せあうように仕向けた。
A先生は溝にハマった足の方を
ズボンをちょっとまくりあげて見せてくれた。
たくさんのデコボコの跡があった。
確かにとうもろこしを押し付けた跡。に見えなくもない。

でもあれは
口を「イーッッ!!」って引っ張ってそのまま足に押し付けたような
歯型だった。
前歯や八重歯みたいな跡がクッキリついていて
大量の歯型を押し付けたような跡だった。
A先生がソレを見せて俺たちが
認識した瞬間を見計らったかのようにクスクスと静かに笑いだした

続く