[六年一組]
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やがて牧村は見つけた。『六年一組同窓会会場』と案内の紙が貼られた扉を。
 牧村はドアのノブを握った。ドアの向こうはシーンとしている。誰の気配も感じられない。

 ギイ〜

 牧村は会場に入った。このとき牧村は気づいていないがドアに『六年一組同窓会会場』と
貼ってあった紙。それが牧村が室内に入ると同時に剥がれ落ちた。その紙はくるりと半回転
して床に落ちた。それはかつての答案用紙。あの日、内木が自らの血で書いた文字が書かれて
いる紙だった。
(みんなころしてやる)

 会場、そこはかつて内木が首吊り自殺を行った理科準備室であった。室内は暗い。同窓会など
やってはいない。
 牧村は暗闇の中、ただ立っていた。そして徐々に見えてきた。
 まるで綱引きにでも用いられる太いロープ。その端末は輪状となって結ばれている。それが
天井からぶら下がっている。

 その輪の向こう、うっすらと人影が見えてきた。牧村を見て、不気味に笑う者。
「待っていたよ・・・ 牧村くん・・・ きみのロープだ・・・」

「うわあああああ!!」



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