[石]
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それを見て背筋がゾクッとなった。姉ちゃんにこの事を言おうと部屋を出ようとすると体がうまく動かなくなった。足が動かない。
金縛りか?これが?あれって寝てる時やろ?と初めてなる金縛りに焦りまくった。

そん時不意に「やっぱ今日オマエ誘っといてよかったわ。これに懲りずに付き合ってや。」というAの声が聞こえた。
聞こえたというか、頭の中で響いた。何回も言葉がぐるぐる回ってた。
そのうち何かぼーっとなって、ふと気づいたら部屋の床で寝ていたらしい。もう夕方になっていた、夢か?何だったんだろう。
すぐに机の上の石を見た真っ黒だった。昨日の夜といっしょだ。
何か急に怖くなり、その石を処分しようと考えた。

晩飯を家族と食べた時も昼間の事は言わない事にした、どうせまともな答えが返って来るとは思えないから。
会話はテレビの年末特番(レコード大賞?忘れた)の話しか何かだったと思う。
夕食後すぐに部屋に戻り石をどうしたものか考えた。とにかくここには置いておけない。
元の場所に捨てに行くか、適当なところに捨てるか。
何となく元の場所に戻す(捨てる)方が良いと判断し、明日仕事場のビルのゴミ捨て場にいく事に決めた。
真っ黒の石を箱にしまい、風呂に入ってさあ寝ようと思ったときに家の電話が鳴った。
友人Aだった。「今日暇やねん、○○(昨日(今日)行ったバーの名前)で飲もうや」

おいおい、昨日も飲んだやんwと思いつつも、まあ別にする事も無く寝ようと思ってたからOKした。
「オマエもたいがい暇やな。でも俺今日起きたら右手上がれへんくって、バイクでは無理やわ、自転車でいくわ」と返事し、
「うそ!怪我したん?原因わからんの!大丈夫なん?そら大変やな、ほんじゃまた今度にしようや」とAは言ったが
「ええよ、行けるから」といく事に。
距離的にもまあ行けない事もないし、片手がちょっとなれてきた事もあり、難なく到着。
年末だからかバーに客はAしか居なかった、
第一声僕が「でもそういやオマエ、何で家に電話したん?携帯にくれたら良かったのに」というと
A「ひっさしぶりやなーしかし、元気しとったか?って手上がらんねんなw、つうかオマエの古い番号しか知らんし」
僕「アホ、何言うてんのん。今日やん別れたん。今日。まだ酔うてんのかぁ?w」
A「今日て?。何言うてんの?オマエ、今日なんか会ってるわけないやん」
僕「昨日から今日という意味や。もうえぇって!とりあえずちゃりんこ片手運転して来てんから、ビールぐらい飲ませろや」
A「わけわからん、久々に会ったらキモさ爆発やなオマエ」
僕「おっ!とりあえず。何かわからんけどお疲れー!」乾杯。
僕「つうか、昨日の帰りの事全然覚えてないねんけど、オマエちゃんと帰れた?」
A「オマエな、さっきから何キモいこと言ってんのん?頭おかしいんちゃうか?」
僕「○○さん!(マスターの名前、以下マ)昨日こいつと俺来てたやんな!」
マ「いや、二人とも来てへんかったよ」
気になって携帯の着信履歴をみた、昨日の着信は3件、その中にAの名前は何故か無かった。

続く