[キャンプ]
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何十人という青白い顔が、俺達のほうを無表情に凝視していた。
体は無い、顔だけが天井に何十と張り付いている。

「うああああああああああ」

俺達はもう恐怖心で恐慌状態になり、着の身着のままBの部屋を
逃げ出した。
俺とA、Bは、もう部屋に戻る気にもなれず。明るくなったらすぐ神社かお寺で
御払いをしてもらう事にして、そのまま恐怖心を紛らわすためカラオケボックス
で日が高くなるまで無理にハイテンションになって歌い続けた。

午前10時頃
俺達は携帯で2駅先に神社がある事を調べ、そこで御払いをしてもらうため
電車に乗った。
俺は電車の中である事に気が付いた。
俺達を見ていた顔、普通の人の顔ではなかった。
青白いとか死人っぽいとかそういうのではない。

おかしかったのはそいつらの目。
普通の人の目は大雑把に書くと

<◎> <◎>

だよな。
俺達が見た顔の目は
<◎>が縦になっていた。
上手く伝わるだろうか?

目が横に水平では無く、縦に平行になっていた。

/ヽ   /ヽ
◎    ◎
、ノ   、ノ

こんな感じ。
要するに人じゃない。
後から聞いてみるとAとBもそれに気付いていた。

神社に着き、神主の人に事情を話すと、かなり胡散臭そうな顔をしていたが、
俺達があまりにも必死な顔で話すので一応最後まで真剣に聞いてくれて、
お払いもちゃんとやってくれた。
神主の人が言うには、その祠に二度と近付かないなら多分大丈夫だろう
とのことで、お払い後は俺達に妙な事は起きていない。
もう一つ、キャンプのとき一斉に振り向いた顔、それも同じ目をしていた
事をなぜかお払い中に不意に思い出した。


以上が俺達の体験。
留学生のCとDに関しては、又聞きが大部分だが色々あったようで、それは
最初に書いたように後日。


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Part211
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