[キャンプ]
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…ズズズズズ…
…ガコッ…ガコッ…
と変な音が微かに聞こえてきた。
俺「何?風呂場からだよな?」
B「さっき見たときは何も無かったけど…」
不「何か臭くないですか?」
とりあえず中を確認しようと、扉を空けた瞬間異様に生臭いというか腐臭に
近い臭いがしてきた。
鼻を押さえて中を覗き込むと、バスタブの排水溝から黒い液体がゴポゴポ
と湧き上がっている。臭いの元はそれらしく、排水溝の奥から「ガコッ…ガコッ…」
と変な音は相変わらず聞こえてくる。
あまりの臭さに顔をしかめながら窓を全開にして換気扇を回していると、
俺はある事に気が付いた。
この臭いってキャンプのときにC、D塗られた黒い液体と同じじゃないか?
俺「A、Bちょっと…この臭いって…」
A「ああ、お前もそう思ったか」
B「…偶然、だよな…」
そんな話を俺達がこそこそと話ていると、ハンカチで鼻と口を押さえながら不動産屋が
不「騒音の原因はこれかもしれませんね、明日業者に来てもらうので、○○(俺)さんは
こちらでホテルを用意します、そちらで一泊してもらえませんか、これではここにいるのは
無理でしょうし」
本来ならこの提案は受けるべきなんだが、俺は臭さと同時にあの時の恐怖が蘇って
いたため、とてもこれから一晩一人で過ごす勇気は無い。
不動産屋には今日はAかBの部屋にとまるのでそれは良いと言い、そそくさと全員を
部屋から出し鍵を閉めた。
とてもじゃないがあの部屋にこのままい続けるのは、臭いもあるがそれ以上に「やつら」
がきそうで恐ろしかったから。
下の階の住人は、配水管が詰まったか何かして変な音がしていたのだろうと納得し、
俺に誤解をしてすまないと軽く謝罪をすると帰って行き、不動産屋も明日の予定
を軽く説明すると帰って行った。
残された俺達はあの時恐らく真っ青な顔をしていたと思う。
俺「ただの配水管の詰まりかなにかだよな?あれは関係ないよな?」
A「俺達関係ないだろ…石持ち帰ろうとしたのはCとDだし」
B「…偶然だろ、ありえねーよ」
とにかく3人とも「偶然だ」ということで済ませたかったが、臭いが正に「そのまま」
なうえに、変な音というのも気になる、皆一人で夜を明かすのは恐ろしかったのか、
今晩はBの部屋に3人で泊る事にした。
それからBの部屋で朝まで起きているつもりだったのだが、何か妙に3人とも眠気
があったため、1時過ぎ頃寝る事にした。
深夜3時頃
俺はBに起された。
Aも起されたらしく、何で起したのか聞いてみると。
Bが言うには、窓の外から大勢の話し声が聞こえてきていて、それが徐々に
近付いてきているらしい。
聞き耳を立ててみると、確かに何か聞こえる。
A「神経質になりすぎじゃないか?誰か外で話してるだけだろ」
B「いや…でも」
俺「何だよ」
B「ここ3階だぞ、何で下じゃなくて横から声が聞こえるんだよ」
たしかに言われて見ればそうだ。
気のせいなのかもしれないが、何か気味が悪い。
ひとまずもう寝ていられないので、電気をつけてゲームの続きでもしようと、
Aが電気をつけるため天井のほうを見た。
Aがそのまま絶句して硬直している。
何事かと俺とBがAの見ているほうを見てみると…