[キャンプ]
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キャンプからもどってから数週間、その間は特に何も無く、課題をこなしたり
レポートをしたりバイトをしたり遊びまわったりと、平和な日々が続いていた。

事件から1ヶ月くらいたった夏休みの終わり頃
(ややこしくなるので最初に説明しておくと、俺は学生専用のアパートに
 住んでいて、AとBも同じアパートの住人)
昼過ぎにBとAが俺の部屋を訪れ、ゲームをしたり漫画を読んだりとゴロゴロ
していると、下の階の住人(以下“住”)が俺の部屋へやってきた
ドアを開けると

住「何やってるのか知らないけど五月蝿いんだけど」

俺「そんなに大音量でやってるつもりなかったけどゲームの音五月蝿かった?」
 「それとも声五月蝿かった?」

住「いや、そうじゃなくて」

住「さっきからお前ら部屋の中大人数でバタバタ歩き回って何してるんだよ」

俺「別にバタバタ歩き回ったりしてないんだが…ずっとゲームやってたし…」
  「まあ気になったならすまん、静かにする」

それで下の階の住人は帰ったんだが、何か変だな?とは思いながら、AとBに
は下から苦情が来たのでちょっと静かにしようと言っておいた。
30分くらいするとまた部屋のチャイムが鳴った。
出るとまた下の階の住人で、今度はかなり怒っている

住「お前らいい加減にしろよ、バタバタ歩き回ったりブツブツなんか聞こえてきて
  ウザイんだけど、こっちはレポート纏めてる最中なのに集中できないんだけど」

窓締め切ってかなり静かにしていたのにこういわれて、何か釈然としないが、
まあもめるのも嫌なのでこう返した

俺「そりゃ悪かった、注意してたつもりなんだけどまあいいや、俺達これから
 出かける事にするわ、それなら問題ないだろ?」

そもそもこのアパートは結構新しく、そんなに音が響くわけ無いし、最初に
注意されたとき以来かなり静かにしていたのに理不尽だなと思いながら、
AとBに事情を話してでかけようと切り出した。
今から考えると、今まで結構騒いでもどこからも苦情がなかったので、この時に
変だと気付くべきだったかもしれない。

時間は午後2時頃、とりあえずゲーセンとかに行って暇つぶしでもしよう
ということになり、俺達はアパートを出た。
それからゲーセン行ったり買い物したりと時間をつぶし、ファミレスで晩飯を
食っていると今度はアパートの管理会社から携帯に電話があった。

不「○○を管理している○○不動産の者ですが、○○○号室の○○(俺)さんでしょうか?」

俺「そうですけど、何ですか?」

不「実はそちらの部屋が五月蝿いと苦情がありまして、お伺いしたのですが
 ご不在のようなのでお電話しました」

俺「ああ、苦情来たので昼過ぎから出かけていました、以後注意します」

「またかよ…」と思い俺がうんざりしながら答えると不動産屋が変な事を言い出した。

不「昼過ぎというと何時頃からですか?」

俺「確か2時か2時半頃だったと思うんですが」

不「それは間違いないですか?注意して欲しいと苦情の電話があったのは6時過ぎ頃
  なのですが…」

今の時間は午後8時過ぎ、あれから一度も帰っていないのでどうもおかしい。
AとBに事情を話し、不動産屋には今から帰るので部屋の前で待ち合わせする事に
なった。
アパートにつくと不動産屋(30歳くらいの女の人)が待っていて、苦情の電話
をしてきたのがやはり下の階の住人だったのでまずそこへ行く事となった。

出てきた下の階の住人はやはりかなり不機嫌で、話によるとあれから暫らくは
静かだったが、5時過ぎ頃からまた五月蝿くなり注意しても誰も出てこないので
管理会社に電話をしたらしい。

俺があの時出かけたまま帰っていないことを話すと最初は疑っていたが、買い物を
したときとファミレスで飯を食ったときのレシートの時刻を見せると流石に納得した。

不「あの…もしかして空き巣では?」

住「さっきまで五月蝿かったからまだいるかも」

A[マジかよ…○○(俺)お前鍵ちゃんとかけたか?」

俺「ちゃんと掛けたけど、お前も見てただろ」
  「つーか俺の部屋入って何盗むんだよw」

B「とりあえず部屋に行ってみて確認すればはっきりするんじゃね?」

ということで、俺とA、Bそれと不動産屋と下の階の住人で俺の部屋へ行ってみる
事となった。

俺の部屋につくと、予想通り鍵は掛かっていた。
空き巣が鍵をした可能性もなくはないので、俺が鍵をあけ、中の様子をみたが
玄関から見た範囲におかしなところはない。
全員で俺の部屋に入り、部屋の中やユニットバスの中なども調べたが矢張り
なにもない。
出て行く前に飲んだジュースのペットボトルとかもそのままで、人が入った
ような痕跡はまるで無い。

下の階の住人は何か釈然としない顔をしていたが、人がいた痕跡は全く
無いのが現実で、どこか他の部屋の音を俺の部屋の音と勘違いしたのでは?
などと話していると、玄関横のユニットバスの部屋から

続く