[キャンプ]
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留学生2人は生きていたが、その姿は異様だった。
体全体に黒い液体を塗りたくられたらしく真っ黒で、塗りたくられていた黒い物は既に
乾いていたが、生臭い臭いがしておりとても近付けないほど臭い。
とにかく2人には川で体を洗うように言うと、がたがた震えて泣きながら
体と服を洗っていた。

俺達はテントをその間にテントを片付け、2人に石はどうなったか?と聞いた。
するとCが自分のリュックを指差したため中を見てみると、タオルに包まれた石が
入っていたため、とにかくこれを返しに行き謝罪しようとBが言った。

しかし、彼らの反応は酷かった。

D「行くならお前達で行けよ」

C「お前達がここに連れてこなければこんな事にはならなかった、お前達のせいだ!」

A「ふざけんな!お前らがBの言う事聞かずに石をもってきたからこんな事になったんだろ!」

俺「そうだ、お前らが原因なんだから石を返して謝罪するのは当たり前だろ」

CとDはなおも食い下がり頑なに石を返しに行くのに同行するのを拒否し、顔を
真っ赤にして激怒しながら俺達に殴りかからんばかりに「お前達のせいだ」と叫び続けた。
するとそれを黙ってみていたBが

B「もういいよ、ならCとDは勝手にしろよ、俺達で返しに行くから」

呆れたように言うと、一人で石をもって川の上流へ向かったため、俺とAは仕方な
く口論をやめてBについていく事にした。
CとDはその間に自分達の荷物をまとめて帰ったらしい。

Bについてくと洞穴があった。
確かにBの言っていたように何か雰囲気がおかしい、ここだけ空気が違うというか、言葉では
うまく言い表せないがとにかく妙な気配のする洞穴だった。
俺達は昨晩のこともあったため怖かったが、このままにしておけないため洞穴の奥に進み
石を祠に戻した。

祠の近くに破れたお札が落ちていたので、それで効果があるのかは解らなかったが、
やらないよりはマシだろうと、もってきていたガムテープでお札を可能な限り原型にもどるように
張り合わせて元あった祠の扉に貼り付け、3人で手を合わせて謝罪して帰路についた。

後日談
俺達には直接的には何も無い。
夏休みが終わり、9月になって大学へ行くと、留学生2人がBに「お前のせいだ!」と殴りかかって
きた事と、その他諸々間接的に色々と事件が起きたが、それはまたの機会に書きます。

結論を書くと留学生2人は最終的に学校を自首退学し帰国した。
その後2人がどうなったのかは知らない。
一つだけ言えることは、「あれだけでは済まなかった」という事。
そして結局祠とその中の石が何だったのかは解らなかった。

時間が出来たので後日談を書きます。

ちなみに「直接的には何も無かった」「間接的に色々あった」というのは、
実害がなかっただけで俺とA、Bにもその後怪奇現象?というか何と言うか、
恐ろしい体験はしました。
留学生2人に関しては、又聞きで色々聞いているのだけどそれも長いので
また後日にします。

続く