[キャンプ]
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Bはその石を見たときに何か言い知れない不安感を感じたらしく、
とにかくその石を置いて洞穴から出て行かないといけないと感じた
らしい。
そして口論となった

B「それはこの祠の物だろ?さっさと元に戻してもどろう」

D「俺達が見つけたんだから俺達のものだろ」

C「こんなところに無用心にあるんだから捨ててあるのと同じだろ、
 俺達が貰っても問題ないはずだ」

B「誰のものとかそうじゃなくて、それはそこに安置してあるもの
 なんだから、勝手に持ち出しちゃだめだろ!」

C、D「誰がそんな事決めたんだよ!」

B「祠があるってことは誰かがここを管理してるって事だろ!
 人のものじゃないか、さっさと戻せよ!」

C、D「大事な物なら鍵くらいするだろ、無いなら捨ててあるのと同じだ!
   だから俺達の物だ!!!!!」

Bが何を言ってもC、Dは言う事を聞かず、最後には顔を真っ赤にして激怒し始め、
そのまま口論をしながらもどって来て今に至るらしい。
俺とAがC、Dの非常識さに呆れていると、Bはこう言い出した

B「実はさ、あの祠の扉、何かお札みたいなのが張ってあったんだ…
 Cはそのお札を破いて扉を開けていた、あれは絶対何かヤバイ
 ものだって…」
Bが真顔でそう話すのを聞いてしまったためか、俺は何か不気味な
視線がこちらを覗いているような気がしてきて、急に寒気がしてきた。
Aも同じように感じたらしく押し黙っている。

すると、外でCとDが騒ぐ声がする。
どうやら2人は俺達はほっといて外で酒盛りを始めたらしい。
俺達3人はそこに加わる気にもなれず、留学生2人に「もう寝るから
少しはなれたところでやってくれ」と伝えると、テントに入って
寝る事にした。
その時、CとDどちらか知らないがボソっとそいつらの国の言葉で
俺達をバカにするよな言葉を吐いたのを良く覚えている。
発音のニュアンスと表情でそれがわかった。

真夜中
俺は何かの物音で目を覚ました。

テント近くの広場を誰かが歩く音がする。
始めは誰かションベンでも行ってるのか?と思ったが、何か様子が
おかしい。
足音は2つのテントを中心に広場をぐるぐる回っているようで止まる気配が
無いうえに、それどころかどうも段々と足音の人数が増えている。
CとDが何かしているのかとも思ったが、足音から察するに人数は
少なくとも5〜6人はいる。
それと何か良く解らないが妙な違和感も感じた。

俺はただ事では無いとおもい、横で寝ているAとBを起こす事にした。
AとBははじめ寝ぼけていたが、外の様子がおかしい事に気付くと
目がさえたらしく、聞き耳を立て始めた。

暫らく聞き耳を立てていると

B「何かおかしくないか?」

俺「どう考えても今の状況はおかしいだろ」

B「いや、そうじゃなくて…」

A「じゃあなんだよ…」

そこで俺は違和感の正体に気が付いた。
俺達がテントを張っている場所は開けているとはいえそこまで広く
はない、広さは畳15畳ほどだろうか。
その周囲を大回りに歩けば、普通は草のすれる音やすぐ横にある川に
入って水しぶきをあげる音がしないといけない。
でもそんな音は全くしない、ただ地面を歩く音しか聞こえない。

Aもそれに気付いたらしく、暫らく3人とも沈黙していた。

俺「…やっぱ原因はBの言ってた石のせいだよな?」

A「…だよな」

俺達は外に出て何が起きているのかを確認する勇気もなく、そのまま
寝る事も出来ずじっしとしていると、どれくらいの時間が経ったか解らない
が足音がしなくなった。
暫らくの沈黙後、俺が外に出て確認しようかと2人に話している時に

「くぁwせfrtgひゅじこlp;@:」

と、隣のテントから留学生2人の物凄い悲鳴が聞こえてきた。
何と表現したら良いのか、言葉で表現できない悲鳴だった。
俺達が声に驚いてビクッとなっていると、悲鳴に続いて隣の
テントで何かが揉みあうような音と、2人が何か懇願するような声を
挙げている。

俺達は流石にまずいと思い、3人で目配せすると、勇気を振り絞って
懐中電灯を片手にテントの外に出た。
外の様子をみたとき、そこで絶句して固まってしまった。

隣のテントから2人は引きずり出されおり、2人は地面に頭を抱えてうずくまり
彼らの国言葉でなにか叫んでいる。
異様なのはその周囲で、2人の周囲にはボロボロの服を着た青白い
顔の人々が十数人群がり、無言で留学生2人の体に何か黒っぽいものを
を塗りたくっている。

暫らくそのボロボロの服を着た人たちはその行為をし続けていたが、
不意にそれを止めると一斉にこちらを振り向いた。

その後の記憶は俺達にはない、気が付いたら朝になっていて、俺と
AとBは自分達のテントに寄りかかるような形で気を失っていた。
気を失う前、CとDに群がる人たちの顔を見たはずなのだが、俺達
3人にはどんな顔をしていたのか全く思い出せなかった。

続く