[ねかぁねこ]

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僧侶が視力を失ってから、僧侶の目を見た者が出てしまい、
さらに数名が視力を失ったそうだ。
そして人々は、猫に会うかもしれないという
恐怖から外に出れずにいた。
村全体が停止してしまった。
そんな状況を打破すべく、一人の若者が

私がねかぁねこの眼を潰し、捕らえる。
捕らえたら、最初の僧侶の寺に置かせてほしい。

と言い出した。
当然周りは反対したが、若者の意志は固いもののようで
直ぐに出ていってしまった。
村人は困ったが、万が一捕らえてきたときのために
寺の住職は若者が来るまでずっと待っていたらしい。

そして次の日、なんと若者は戻ってきた。
言ったとおりに眼を潰し、瀕死の状態の大きな猫をもって。

どうやって捕らえたのかと聞くと
若者はこう話した。

猫に会うために村中を歩いたが、どんなに探しても猫は居なかった。
そこで、森の中にいるのではないかと思い、入ってみると
すぐに、暗い森の中で光る日取りの光を見つけたそうな。
しかしその光を見た瞬間から、体が動かなく、というか
体を動かす気がなくなった。

僕たちがなった状態と全く一緒です。

その光は、おばあさんが歩くくらいの速さで近づいてきて、
ついには姿が見えるくらいの近さになったが、
若者は冷静に、直視しないように、斜めに相手を見た。
そうすると、確かにただの大きな猫であり、
しかしこちらの目をじっと見ているのが分かったそうだ。
相手が猫だ、とわかると何故か元気が出てきて
足元まで来た瞬間に猫の胴体に抱きつくように飛びかかり
直ぐに眼を潰したそうだ。
猫は抵抗することもなく、簡単に捕らえられたそうだが
眼がつぶれても尚、顔はこちらを向いていたそうだ。


それからといういもの、ねかぁねこが捕まったと分かった人々は
安心して生活できるようになったそうだ。
ただし、目が見えなくなった人々は治らなかったそうだが。

しかし、ねかぁねこに会ったら、この話のとおりに眼を潰し、
寺に預けないと永遠に付いてまわられる。という話だった。


話をまとめるのが下手で本当に申し訳ないが、つまり
今の状態から逃げ切るには、どうにかして眼を潰し、
捕らえて、持ち帰らなければならない。
O君は一人でそれをするから、逃げてくれと言うのだ。

それを聞いた僕は、情けないですが、直ぐに走って逃げた。
ヤツから今すぐにでも逃げたかったのだ。
全速力で走ると、何故か直ぐに森を抜けられた。

森を抜けるとまっすぐに家に向かい、家族のみんなに
今あったことを話した。
祖母が「寺へ行け!坊さんトコ行って来い!」と
本当に大声でいってきたから、びっくりしながら
大急ぎで寺へ行った。
寺に行き、お坊さんに話すと、O君の無事を
祈るお経を読み始め(何故山に入った、等とかなり怒鳴られましたが)
僕も一緒に正座してO君を待った。

朝になってもお経を読み続け、ついに夕方くらいになったとき、
寺に祖母がスゴイ形相で入ってきて言った。

続く