[消えた友人]
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きっと先に行ってしまったんだろうと思い、私達は歩くペースを速めた。
すると、Bがなかなかついて来ない。歩いてはいるのだが、全然私達のペースに
合っていなかった。私達は気にせず、そのまま歩き続けた。もう一度後ろを振り返ると、
Bは見えなくなっていた。いい加減Aに追いついてもおかしくないくらいのペースで
歩いているのに、Aの姿は見当たらない。まさか迷ったのか・・・?背筋に嫌な汗が流れる。
ずっと真っ直ぐに歩いていたつもりだが、周りの暗さもあり、もしかすると出口とは
全然違う方向に進んでいたのかもしれない。(後で知った事ですが、この森はかなり広く、
下手に迷うとそのまま遭難してしまう可能性も十分にあるほどだったそうです)

私は先ほどBがAと何やら話をしていたのを思い出した。BはAがどこに行ったのか
知っているのではないかと思い、Bのところに引き返すことにした。しかし、戻ってみると今度はBが見つからない。

いよいよ私達は怖くなってきた。たった少しの間に、
2人も消えてしまった。もしかするとAとBはこっそり計画して、どこかに隠れて、
2人で私達を脅かそうとしているのかも・・・でなければ、先に帰ってしまった
可能性だってある・・・
出来るだけプラス思考に考えて、最悪の事態を想像しないようにしていた。

仕方なく、私とCは森の出口を目指して歩くことにした。その間も周りを懐中電灯で
照らし、AとBを探しながら歩いていたが、結局2人とも見つかることなく、私とCは
森から出てしまった。やっと薄気味悪い森を出て、私は内心ほっとしていたが、
夜の暗闇の中でそびえ立つ不気味な森を見て、この中にまだAとBがいるのかと思うと
恐ろしくなった。

私はCと相談し、このまま森に探しに行っても視界も悪く、
また迷ってしまうかもしれないし、必ずしも2人が森の中にいるとは限らないと思い、
それぞれ家に帰ることにした。

家に帰ってしばらく経った後、私はAの家に電話をしてみました。
するとAの親が出て、Aはまだ帰ってきていないと言った。Bの家に電話するのは
ためらわれたので、Cに頼んで電話してもらった。やはりBも家に戻ってはいないそうだ。
大変なことになったと、私はこの時点でようやく認識しました。警察に連絡し、
墓地の近くの森林で肝試しをして、友人と森の中ではぐれて見失ってしまったことを説明し、森や墓地の付近を捜索してもらう事になりました。

しかし、警察の必死の捜索にも関わらず、
AとBは見つかりませんでした。

それから2ヶ月ほど経った頃、例の森でAの死体が見つかりました。発見したのは
地元の人で、死体の状態はかなり酷かったらしい。
警察によると、最低でも死後6週間は経過していて、だいぶ腐敗が進んでいたが目立った外傷はなく、解剖した結果では何の異常も見つからなかったとの事だった。
結局、Aの死因は遭難による事故死とされました。
しかしBの方はそれからも見つかることはなく、私は月日が経過するにつれ事件のことを
忘れていきました。

続く