[蝉]
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2日目は朝7時に駐車場に集合で朝ごはんはオニギリ弁当が用意されており、そこに座って食べて
クラスごとに昼の弁当とそれぞれ持参していた水筒にお茶を入れて阿蘇山へ。
ただ、その日は火口付近に霧が多いとかの理由で途中まで歩きグルッと周辺を廻って降りてきた。
途中でお昼を食べて点呼の際に5人人数が足りず、先生達で捜索をすることになり生徒はその場で待つ事に。
昨日起きた怖い話や、不謹慎にも行方不明の5人死んでたりしてねー、等と言ったりしている人もいた。
30分ぐらいたっても見つからず捜索隊(と言うほど大規模なものでは無かったけど)もでて
2時間後に霧の為来るべき道とは逆の方向を誤って進んでいた5人が発見されて全員が駐車場に戻ったときには
18時を過ぎていた。色々あった事と時間がかかり過ぎた事と両方に怒っていたのか学年主任の先生がいきなり
「今日は風呂は無し。時間も遅いしホテル側に迷惑かかる。シャワー浴びたい奴は浴びてもいいが風呂はなし。
それと飯はホテルで用意されているから今から直ぐに向かえ。食べ終わった者からシャワーを浴びて良いが20時までに
入れなかった者は今日は無し。8時からはキャンプファイヤーをして9時に就寝。はい、解散」
と一気に捲くし立て解散。女子の殆どは山をずっと歩き回って風呂にも入れずに寝るのは嫌だという思いから直ぐに
ホテルへ向かいご飯もそこそこにシャワーへ。
私も20時までにシャワーは間に合ったけども、男子のシャワールームはがら空き状態。多分昨日の出来事もあり
数人以外は使わなかったようです。
その後ありきたりのキャンプファイヤーをして(火の周りを囲んで歌ったり)就寝時間に。
キャンプファイヤーで結構テンションが上がってる人もいれば、その日の山登りでクタクタになってすぐに眠る人も。
私達はと言えばかなり元気が有り余ってる感じで5番と8番のテントの人達と仲の良い者同士で入れ替わり、キャンプ最後の
日を存分に楽しもうと思ってました。
それからずっと話込み、先生達もある程度の時間までは各テントから聞こえてくる声を許してくれていたんでしょう。
しかし、数時間後先生達が「おーい、早くねろー」と各テントを回りながら注意をし始めて段々とテントの中の声も
小声になっていき辺りもかなり静かになった。たまにトイレにでも行ってるのであろう数人がコソコソ言いながらテントの前を横切ったり
テントの中から外の電灯で見回りの先生の影が通りすぎるだけで辺りは静かに。
私達はそれから又話込み、どれだけ時間がたったかわからないけど、蝉の鳴き声だけが聞こえていた。疲れもあってか何人かは
欠伸をし始めてそろそろ寝ようかとなった。
その時に偶々友人の中の一人が「蝉の鳴き声ってここまで大きいものなんだねー」と囁き皆が耳を傾けた。
それが間違いでした。
「ミーンミーン・・ミーン・・ミーン・・ギーオギーオ・・ミーン・・ジー・・ミーン・・ケタ・・ミーンミーン・・ミーン」
続く