[蝉]
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そのときに目の前にいきなり灯りが。「ひゃっ」と驚いて、すぐに見上げたところテントまで行き戻ってきている組でした。
曲がりくねった道で上から降りてくる人の灯りはみえなくてさすがに初めは驚いたけど、
それからは何だ、人が居るんだし大丈夫か〜。という気分になり不思議と恐怖は薄まってきて
何度か他の組と擦れ違いながらも頂上へ。一番上にあるテントの奥に小さいダンボールが置いてありその上にあるお札を取って
駐車場へ戻ることに。それから少し降りている最中に「キャーーーーーー」と言う声を聞きビクッとなったけどC君が
「びびりすぎだろ、叫ぶか、普通ー、おもしろいなー」と笑いながら言っていた為私も釣られて笑いながら下りていきました。
駐車場が見えはじめた時に、前の2組の人たちがそこで座り込んでいた。
C君が「おい、はよいけや。何しよんよ」と聞くとそのうちの1人が怒鳴り声で「お前が先にいけ」と言い出す。
その怒鳴りだした人の前に座り込んで泣く女子二人。もう一人の男子も懐中電灯を下に向けたまま闇を睨んでる。
「そんな怒るなや。何か?どうしたん?」とC君が聞くと先程怒鳴った男子が「便所の前を懐中電灯で指してみ」と言い出した。
私はそれを聞いた瞬間に見ないほうが良いと思い目を瞑ったけど「なんもないやねーか」というC君の言葉で目を開けて見てみた。
トイレの前には真っ暗な空間があるのみで何も怖いものは無い。「あ、あれ?おかしいなぁ??」と言い出すその二組の男女。
早く降りようと言い3組で駐車場へ。帰ってきて安心して泣き崩れる女子二人にそれぞれの友人が駆け寄る。
「怖がりすぎでしょ、何かあったん?」と私に言う友人に「いや、わかんない。私が行ったときには泣いてたからさー」と伝えると
その友人が先程怒鳴った方の男子に事情を聞きに。
その時の話では、トイレの前の壁に大きな蝉がとまってて、それを取ろうとした前の組の男子がトイレの中に女が居ると気付いた。
それを虫とかやめなよーと言っていた女子も一緒に見てしまい腰を抜かしてしまった。その男子も後ずさりながらその女子の元まで
戻ってきてなすすべなく立ち竦んでいると後ろからの組みが近づいてきた。それに驚いて座り込んだ女子が「きゃーーーーーー」という
声を上げた為後ろの女子もびっくりして尻餅をついた。その時に男子が持っていた懐中電灯がちょうど便所に光を集めてしまい、
その4組の前に明らかに女が経っているのが見えたらしい。ゆっくりと近づいてるような感じで先程まではトイレの「中」に居たはずの
女がとまっていた蝉を潰しながら壁に手をかけていた。その後に私とC君がちょうど着いたとの事。
私自身はそんなもの見ていない為友人と怖いねー、トイレいけないじゃん。聞かなきゃ良かったー。と騒ぎたて他の組みが終わるのを待った。
その後全組が終了し就寝時間だ。との先生の声でそれぞれのテントに戻ることになったが先程の女子二人は恐怖のあまり体調が悪くなり
女性教員と同じテントで寝ることに。
その後は、肝試しが終了した為にテント前の電灯が全てついており、他のテントに忍び込み仲の良い友人同士で話たり
見回りの先生の影をみて声を潜めたり、トイレに行っていたのかどうかはわからないけども数人の生徒がテントから出ているところを先生に見つかり
怒られたりしているのを聞いたりして、そのまま眠りにつきました。
本当に怖い体験をしたのは2日目でした。(長くなってすみません・・・。)
続く