[詳しい解説]
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誰も冗談を言う状況じゃなく、普通に今あった事を伝えると、
「そういえば顔と腕が痛いな」
そう言い右腕のシャツを捲ると、くっきり骨のように細い手形がついてた。俺ら真っ青になって「早く帰ろうぜ」ということになり、原付5台が縦に並んで山道を走って帰った。
腕に手形の奴が前から2番目、井上がその後ろだったんだが、何にもない平坦な道で手形の奴が派手にコケたんだよ。井上も後ろにいた俺らも急ブレーキでなんとか二次災害は避けられたんだけど、コケた奴は血だらけ。悲惨な状況になりながらも俺らは家路に着いた。

手形の奴は近所の緊急病院に直行し、俺らは井上の提案で寺にお祓いに行くことにした。つってもまだ午前4時だったし、朝になるまでファミレスで飯を食いながら待つ事にした。そこで井上がさっきの事を話出した。

「お前ら、トンネルの中にババアが立ってたの見えなかったのか?真っ暗なのにババアだけしっかり見えたんだよ。怖くて入れるわけねーじゃん。なのにお前ら自分からダッシュで入って行ったからババアも付いてったよ。
で、おまえらが戻ってきたら、しっかりとあいつ(手形の奴)の腕を掴んで奥に向かって引っ張ってるじゃん。で、スッとババアが消えた瞬間、あいつ笑い出したし。それと、コケた時、あいつの後輪が横から押されたみたいにスベッたんだよ。ありゃコケるわな」

俺らは口数の少ないまま手形の奴からの連絡を待ち、打撲とすり傷で入院する必要は無いと知り、合流して朝一でお祓いに行った。
すでに数年経つが俺らは元気に過ごしています。


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