[詳しい解説]

A県にある有名な心霊スポットの旧Iトンネルに行った時の話。
当時高校生だった俺は、夏休みの深夜にDQNの男5人で集まって暇潰しをしていた。よくあるパターンで心霊スポット行くかwとなり、全員原付に乗って1時間くらいかけて向かった。
到着したのは深夜2時。ビビりな俺は途中の山道から相当キテたが、雰囲気ありまくりのトンネルを目の前にして卒倒寸前。「余裕だろ」と粋がってた奴も軽く体がのけ反ってるしw
まぁ、DQNだけに皆強がって真っ暗なトンネルに入ろうとしたら、普段なら真っ先に入っていくであろう井上(仮名)が最後尾でガクブルしてんの。
正直全員ビビってたんだが、自分よりも怖じ気付いた奴を見つけて心に余裕が出きた俺らは「井上、何ビビってんだよww」ってからかうと、うつむいて真っ青な顔しながら「ビビってねーし!!」と強がるのが面白くて、俺ら4人は一斉にダッシュして奥まで入って行った。
もちろん追いかけてくると思っていたんだが、後ろからは足音がしないし、目の前は10センチ先も見えないぐらい真っ暗で、逆に俺らが深みにはまってしまった。

「やべ、戻ろうぜ」と言い、来た道を又もやダッシュで駆抜けてると、もうちょっとで外に出るという所で、一人が
「痛い痛い痛い痛い!!」
と絶叫してうずくまった。何が起こったのか分からず、振り返ると必死に右腕を押さえながら叫んでいる。
「おい、どうした?!」
と声をかけても痛いとしか言わず、入口のとこに立ってた井上が俺らを見て
「早く引っ張り出せ!!」
と怒鳴ったのを聞いて、3人がかりで引きずろうとしたんだが、全く動かないんだよ。体重60キロぐらいの筈なのに、男3人が力一杯引っ張っても動かないし、その間もずっと痛い痛いと叫んでる。
尋常じゃない空気に俺らはパニックになってると、急にうずくまってた奴が気が狂ったように「ヒャハハハハ…」って笑い出した。目は白目を向いて、顔はこれでもかってぐらい歪ませてる。
その瞬間そいつの体が軽くなり、今だ、って俺らは外に引きずり出した。それでも笑ったまんまのそいつに井上が寄って行くと、「しっかりしろ」と怒鳴りながらビシバシ顔をハタキだす。
すると、ハッとしたようにそいつが気を取り戻して「あれ、何やってんの?ここどこ?」とすっとぼけた事を言い出す始末。

続く