[彷徨える女]
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と・・・・・その時、
ぺちゃっ・・・ぺちゃっ・・・ぺちゃっ・・・ぺちゃっ・・・ぺちゃっ・・・ぺちゃっ・・・ぺちゃっ・・・ぺちゃっ・・・
・・・・・何か「水が滴り落ちるような音」が後ろから聞こえてきた・・・・
それも徐々に大きくなってくる・・・・・
「!」
「!」
「!」
そのうちその音は何か濡れているものを引きずっているような音に変わってきた・・・・
「・・・・何か私たちの後からついてきてる・・・・」
「おい、冗談だろ?」
「天井から水がたれてきているだけだって。」
ところが、メンバーの中で自称「霊感のある」男性・・・・仮にAとしよう・・・・は後ろを振り返って絶句した・・・・
「お前ら!!走れ!!」とAは叫んだ。
ただならぬAの様子に全員が浮き足立った。
「おい、何なんだよ?」
「何大きな声上げてんのよ!」
「いいから!走れ!」
・・・・・ともかく、一団は一斉にトンネル出口へと走り出した・・・・・・・「髪の長い彼女」を除いては。

!!!!どうして?体が動かない!!!!
恐怖心のせいなのか、それとも別の何かなのか?彼女は身動き一つ出来ない状態になっていた。
・・・・・まさか、これって、金縛り?やだぁ!こんなの!!!!

ずりゅっ・・・・ずりゅっ・・・・ずりゅっ・・・・ずりゅっ・・・・ずりゅっ・・・・ずりゅっ・・・・
・・・・音はだんだん近づいてきた

おとうさん!おかあさんっ!・・・・と思った次の瞬間。音はぴたりと止んでしまった。
・・・・あれ???
あ・・・・体が動く・・・・あれ???何で??
「アナタミタイナヒト・・・・マッテタノ・・・・ズットズットマッテタノ・・・・」すぐ耳元で声がした。
「きゃああああああっ!!!」彼女は逃げ出した・・・・・・・が出来なかった。
何者かが自分の髪を掴んでいる・・・・・
何?何?何何何何?????
彼女が振り返った瞬間!
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!」
凄まじい彼女の悲鳴がトンネル内にこだました・・・・・・

走っていた全員がその声に驚き、立ち止まった・・・・・
「彼女・・・・・つかまっちまった・・・・・」Aがうわごとのようにつぶやく。
「何につかまったんだよ!おい!おい!A!しっかりしろよ!!!!」
「あれっ?**ちゃん、いないよぉ・・・・」
「!」
「!」
「まさか・・・・・おい!おまえら、戻るぞっ!」
「おい・・・・何だよ、見捨てる気かよ!お前ら!」

続く