数年が過ぎ、ある若者たちの一団が旧阿部倉トンネル跡を「肝試し」走破するべく集合した。
こういう馬鹿どもはどこにでもいるが、大体の場合「な〜んだ、たいした事ねーじゃん」という事で終わる。
が、こういう連中はただ単に「幸運」であるに過ぎないのかもしれない・・・・・
この時、参加者の中に髪の長いかわいい娘がいた。
野郎どもの目的は「ここでいいかっこして、彼女にアクセスするチャンスを作ろう」という事で、魂胆が見え見えである。
だが・・・・彼女がこの後訪れる「想像を絶する経験」をする事を、だれも知る由も無かった。
トンネルに入って数分後・・・・・
彼女は「誰かに見られている」とても気持ちの悪い気配を感じ取っていた。
彼女は「霊感の強いほうではない」。
が、何かねっとりした視線が自分に向けられている事を感じていたのである。
「何か私・・・・ちょっと気分が悪い・・・・」と彼女がポツリともらした。
「大丈夫。大丈夫。何も起こりゃあしないって。」と男性参加陣。
「あたしも気持ち悪〜い♪」と女性陣。
「あ〜そうかい。そうかい。お気の毒に。」
「なによぅ。**ちゃんばっかり、信じらんな〜い。」
「うっせーなぁ。(おまけどもが)」
「何ですって!」
・・・・・ああ、また始まったか・・・・と彼女はうんざりした・・・・
が・・・・その時、「アナタキレイネ・・・・・」という声がまじって彼女の耳に入ってきた。
「!」
「・・・・・気のせい、気のせい・・・・早く出たいなぁ。こんな所・・・・」と彼女は思った・・・・
が、次の瞬間、
「アナタキレイネ・・・・トテモキレイ・・・・」更にはっきりと分かる声が彼女の耳に聞こえてきた。
低く・・・・抑揚のない・・・・・が何か威圧感のある声が・・・・
・・・・・えっ?・・・・・私?
「ソウヨ・・・・アナタ・・・・アナタ・・・・」
「!!!!」
「どうしたの?**ちゃん。びくっとして。」
「ちょっと・・・・あたし、何か変な声聞いたんだけど・・・・・」
「????」
「????」
「????」
「・・・・・・(オイマジカヨォ・・・)何て?」男の一人が尋ねた。
「・・・・あなた、きれい・・・だって」
「へ?」
・・・・・・・場内大爆笑・・・・・・・・・
「**ちゃんって、意外と自意識つよいんだぁ♪」と女性陣。
「違うよぉ。ホントに聞こえたんだってばぁ。」
「脅かし方は下手だねぇ・・・・」と男性陣。
続く