[彷徨える女]
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道はトンネル跡で行き止まりになっていた。
が「彼女の夫」はあたりを進む事を止めようとしない。
「**が近くにいるかもしれない。」
「まさか・・・こんな所に・・・・」と父。
「!」
「?」
二人はほぼ同時に同じ方向をむいた・・・・・・
ある方向から「異様な臭い」が漂っている事に気がついたのだ・・・・・
この時父は「最悪の状況」を想像した・・・・そしてその予感は見事的中する事となる。
彼らの十数m先に・・・・・「グレー色の何か」が転がっていた。
すぐさまそれに向かって歩き出す「彼女の夫」、
がその時、耳をつんざく凄まじい音が響いた。
あまりの音の大きさにたじろぐ二人。
みると「無数の黒い小さな虫の群れ」が飛び回っていた・・・
・・・・・無数のハエの群れだった・・・・・・
そして二人は目前にした、「蛆まみれの焼死体」を・・・・色がグレーがかっていたのは、無数の蛆が死体をむさぼっていたのであった・・・・・
周囲には数個のポリタンクが散乱していた。
(焦げているものもあり、それは生々しい状況だったと後に父は私に語った。)
絶句する二人・・・・・。
ちなみに父は見事に腰を抜かしてしまった。「彼女の夫」は呆然とするばかり・・・・・
とりあえず、父が携帯電話で110番通報。
20数分で警察が到着し、二人は事情徴収を受ける事となった。
刑事の話によれば「今年はこれで3人目です」との事。
後に・・・・・歯型及び血液型から、遺体は「彼女」であることが確認された。
死体はかなりの程度で焼け焦げていた事から、「ガソリンで焼かれた事によるもの」という結論となった。
司法解剖及び組織検査の結果から、「彼女は生きたまま焼かれた」事が明らかとなった。
遺書は見つからず、現在でも「自殺か他殺か不明」との事である。

が・・・・それ以来、トンネル内を「肝試し」として踏破する者たちの間にある噂が広まった。
参加者に「髪の長い美しい女性」がいる時に、「ある事」が起こるという・・・・・・・・・・

続く