・・・・・・トンネル内を静寂が包んだ・・・・・・
Aを含む数人の男性が来た道を戻って「彼女」を探すこととなった・・・・・
しばらくして・・・・・懐中電灯の明かりが人影を捕らえた。誰か、倒れている・・・・「彼女」だった・・・
「おい!しっかりしろっ!大丈夫かぁ!」
Aが彼女を抱き起こそうとしたとき、手にヌルッとした感触が走った。
「?」
「・・・・何だこりゃあ・・・・・って・・・・血????」
「おい!しっかりしろっ!大丈夫かぁ!」
「おい・・・・A、彼女をよく照らしてみろよ・・・・・・」
「!」
「!」
「!・・・・・・おい・・・・・これって・・・・・」
・・・・・・・「彼女」は頭から相当量の出血をしていた・・・・・倒れた時に頭を打ったのだろう・・・・
が・・・・彼女の頭には髪が一本も無くなっていた・・・というより、何かに「根こそぎ引き抜かれていた」のである・・・・・
絶句する彼らの頭上で抑揚のない声が響いた・・・・・
「ワタシ・・・・スットマッテタノ・・・・・ズットマッテタノ・・・・・ワタシノカミ・・・・モエテナクナッチャッタカラ・・・・」
「ホシカッタノ・・・・キレイナカミガ・・・・ズットホシカッタノ・・・・」
「コンドハ・・・・・アナタタチノ・・・・・ハダヲチョウダイ・・・・・ハハハハダダダダヲヲヲヲチョウダアアアイイイイ!!!!!!」
・・・・彼らは彼女を抱え、ほうほうの呈で逃げ出した。
この事があって以来、「髪の長い女性」や「肌のきれいな人」がトンネルに入ると、「トンネル内を彷徨う何か」に襲われる・・・・という噂がまことしやかに流れている・・・・・
この噂が流れて以来、肝試し目的で「トンネル跡」に来るカップルはいなくなったという・・・・・
次の話
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