[小学生の集団]
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暫くして、さっきのお爺さんやおっさん、神主さん達の話が纏まったらしく、神主さんが俺達に「あんたらはこの
出来事の矛先ではないから多分大丈夫だと思うが、念のため今日明日はうちの敷地内で過ごしなさい、その間
に何か変なことがあっても、うちにいれば大丈夫だから」と言ってきた。
俺達は、何の事情があるのかもさっぱり解らないし、なによりそんな事言われたら余計に不安になるのだが、
文句や逆らっても何の解決にもならなそうだし、何より実際にやばい体験してしまったあとなうえに、何か
物凄く皆が真剣なので、素直に言われたままにすることにした。

その夜、神社の敷地内の建物に通された俺達は、一体何がどうなっているのかも解らず不安なまま、まあ
悩んでいても仕方が無いと言う事になり、その日はそのまま寝ることにした。
暫く目をつぶっていると、俺はうとうとしてきて意外とすんなりと寝る事ができたのだが、その日は凄まじい悪夢を
見た。
夢の中で、十数人の男達が、聴いたことも無い変な訛り?を喋りながら、小学生くらいの集団を襲い、男女関係無く強姦
しているという、まさに鬼畜の所業と言うのに相応しい惨劇が繰り広げられていた。
何人かはそのまま殺されたらしく、全く動かない子供もいて、俺はそれをどうする事もできずただ見させられていた。
(よく2ちゃんでは幼女ハァハァとか書いているやついるけど、あれみたら確実にそんな気無くすぞ…)

とんでもない悪夢を見たせいか、俺はまだ暗いうちに目が覚め、汗をびっしょりとかいていたのだが、どうもSやYも
悪夢を見ているらしく、明らかにうなされているようで、同じように汗まみれになっていた。

朝、SとYが起き始めたので、夜の出来事を話してみると、2人とも俺と同じ夢をみたらしく、3人で話し合って神主さ
んのところに行って問い詰めて何が何でも事の真相を聞き出そうということになった。
同じ敷地内にある神主さんの家に行き、昨日の夕方から今朝にかけての事を話し、話せる事は全て話して欲しいと必死に
頼むと、神主さんは「そうか…」といって事のあらましを話してくれた。

ここからの話はうろ覚えなので、間違っている部分や史実とあわない部分もあるかも。

事の発端は、俺の予想通り昭和初期時期に起きていた。
その当時、この漁港はかなり活気があって、町の外からもかなりの出稼ぎ労働者などを受け入れていたらしい。
(どうも特定の一地域から大量に受け入れたらしいが、詳しくは教えてもらえなかった)
当時の地元の人たちは、方言の違い?からかうまくコミュニケーション取れないので、受け入れには反対だった
らしいが、当時の県の意向で半ば強制的に受け入れが決まったらしい。そんな中で、俺達が夢で見た惨劇が
発生し、数人の死者も出ていたらしい。

その後、そんな事件があったため公式な受け入れは中止になったのだが、犯罪に加担したもののうち捕まったのは
数人で、後はどこかへ逃げてしまい結局捕まらず、更に、残ったそういった出稼ぎの人々が更に仲間や家族を呼び寄せ、
もう追い出す事もできなくなってしまっていた。
それから、それでも何とかなっていたのだが、昭和21年から23年頃にかけて、また問題が起きてしまった。
その時は、犯罪というより暴動に近く、戦後まもなくて警察の力も弱く、社会も混乱しており、何より戦争で男手が
少なかったため、暴動に歯止めがかからず家族を殺されたもの、土地や財産を奪われたものも出たとの事。

そして、その被害にあった人の中に、俺が夢で見た出来事で被害にあった女性もおり、その時に夫と子供を殺されて
いたらしい。

続く