[呪いの連鎖]
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その後、長男の言った一言によって3人は今まで以上に、連絡を取り合うように
なったそうだ。
父親の死後、1年9ヶ月経った頃、突然長男と連絡が取れなくなった。
次男からもその連絡が来た。家に電話をしても嫁さんすら出ないとの事だった。
次男は不審に思い長男の勤める会社に電話したそうだ。
会社から返ってきた言葉は意外だった。1ヶ月ほど前に突然退社したと聞かされた。
二人はすぐに長男の自宅に向かった。
何度呼び鈴を鳴らしても誰も出てくることはなかった。不審に思ったのか
隣の住人が出てきて話を聞いてくれた。すると隣の人は笑いながら
「3人で旅行に出かけるって言ってましたよ」そう教えてくれた。
二人にはどうしても納得がいかなかったらしい。
何で俺たちに何も告げずに出かけるんだ?あれだけ密に連絡を
取り合ってたのに、それからすぐに二人は行きそうな場所として
実家に向かった。主の居なくなった家にたどり着いたが
そこにも3人の姿は無かった。
それから2日後、二人の元に警察から連絡が来た。
長男一家が事故死したのだと言う知らせだった。
事故の原因は先に書いた通り不可思議なものだった。
葬儀が終わっても二人は押し黙っていた。
しばらくして二人は長男一家の家の整理に追われた。
家の片付けをしている時にAは、長男が残したであろう
メモ帳を見つけた。そこには奇妙なことが書いてあったらしい。
「俺が何をした」その言葉が何ページにもわたって
書き綴られていたそうだ。最後のページには
「俺と○○、そして○○これで3人だ、もう終わりにしてくれ」
次男とAの名前が書かれていた。それが最後のメモだった。
次男にそれを渡し、Aは押し黙った。
それを見た次男は、兄貴は神経質すぎたのかもしれない。
そう言い終えて次男も黙りこくってしまった。
Aは心底おびえたそうだ。馬鹿にする次男を無理にさそい
祈祷師やら、その手の除霊専門の所を何カ所も回ったらしい。
細かく書けば本当に凄い量になってしまう。だからかなり
はしょってるから勘弁して欲しい。
長男が亡くなり2年経ち、次男が事故死した。
そしてその話を俺は聞かされた。
呪いと言われても俺にはどうしてもピンとこなかった。
その話を聞いた後、俺はAに話し出した。
なあA、もしさ呪いが存在していたら俺は絶対に祟られてるよ。
お前も知ってるよな、俺が今まで色んな女にしてきた仕打ち。
お前が知らない話だってある。それこそいつ夜道で刺されても
おかしくないくらいだ。刺されないにしても相当、恨まれている事は
確かだと思う。現実に呪いが存在するんなら俺はもう死んでるはず。
でも俺がどんなに語ろうが、Aの周りでは不可解な事が起きているのは
事実。俺自身が一つずつあれやこれや説明しても納得するわけもなく、
話は平行線を辿るだけだった。
Aは俺と話した後に、すぐに所持していた車を処分した。
車で事故なんて嫌だし、Aは苦笑いしながらそう言っていた。