[肉般若]
前ページ
3キロもの牛肉、2キロもの鶏肉、豚肉、とにかく、入ってるのはあらゆる種類の肉、肉、肉!!!
いや、単にすごくお肉が好きなだけかも知れませんが、あのファイトを見た後ではきついです・・・。
しかも、ドアの外では叩き出された厨房たちがうおんうおんと泣き、ドアをこう、かりかり?とか。
思考停止した頭の中で、思わずこれって夢なんじゃ・・・って思いました。私も。
多分そう思う人いっぱいいると思う。私は実は小説書いてますが、あの時の恐怖、こんな文じゃまだまだ巧く伝えられません。
ああ、だから二人して重そうにこの袋持ってたのか・・・と思いながら、私は恐る恐る彼女を振りかえって言いました。
「あの、これ肉しか入ってないんだけど」
すると返事は、
「そうよ。みんなエネルギーが必要でしょ?さあ、なにか作ってね。余ったらあげるわ」
・・・いらないでス・・・(泣)でも、最後に勇気を振り絞ってもう一回言ったのですよ。
「ところで、私はあなたのこと許してないんですけど。これ持って出てって下さい」
答えは、答えは、こ、怖い目での凝視!!!ただ、こっちをジロリと見たまま、静止するの!
なにも言わないの!!怖いんですってば!!
「・・・明日コミケよ。いまさらホテル取れって言うの」
「で、でも、だけど・・・」
「・・・外の連中、うるさいわね。バケツに水入れて頂戴。水でも浴びればちょっとは静かになるでしょうよ」
・・・・な、夏だけど、その発想が怖い!!
「い、いいです!その内諦めるでしょうから!!」
「・・・そうね。じゃあ早くして。お腹空いてるのよ、私。怒りっぽくなってしまうのよね」
・・・負けました。殺されそうな気がして(泣)。
半泣きになりながら冷蔵庫を開けて、いつまでもドアの前から消えない気配に怯えながらつくって
たのですけど、こんな、肉ばっかりでご飯つくれって・・・。
私、一人暮しだからお野菜だってちょっとしかないのに。そう思いながらどうにか野菜を入れて一人分つくって出したんですよ。
ちゃんと、一式揃えて。そしたら開口一番
「少ないわ。もっとよ」
ふ、二人分ぐらい作ったつもりだったのに(泣)。一緒には食べなくても・・・。
でも、仕方なくまた別のものをつくってね、その傍ら滅茶苦茶に汚された台所を片付けてたんです。
続く