[たっちゃんとやばい仲間たち]

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次の日の朝、出勤途中
私は階段から誰かに突き落とされました。
幸い、残り3段くらいだったので怪我はありませんでした。

その日の2時過ぎに上司から頼まれて書類を取引先へ届け、オフィスに戻る最中のことです。
勤めている会社のエレベーターの中には私一人でした。
ドアが閉まる寸前で誰かが外のボタンを押し、またドアが開きました。
すると・・・・・
夏服を着た子供達6人が一気にエレベーターに乗り込んできました。
私は突然のことで言葉を失いました。
エレベーターのドアが閉まりました。
子供達は祖母と私を睨んだ目でジリジリと私に近づいてきました。
私は恐怖で声が出ませんでした。
大きい女の子が(10歳くらい)私の前に立ち、私のことを押しました。
私は後ろによろけました。
そると後ろからもう1人の大きい子(この子は男の子で10歳くらい)が
私のことを後ろから前に押しました。
今度は右から青いTシャツを着た男の子が私を横に押しました。
私が左によろけると今度は左からデパートで見た子に右に押されました。
私は6人の子供に囲まれており、子供達はさらに私を睨みながら私に近づいてきました。

(もうダメだ・・・
そう思った時、エレベーターがオフィスのある階につきドアが開きました。
私はそこから記憶がありません。
気がついたら社内の医務室のベッドに横たわっていました。
後から聞いた話では、私はエレベーターの中で倒れていたそうです。
うちの会社はエレベーターのドアが開くと真っ正面に受付が見えます。
受付の子が私がエレベーターの中で倒れている私を見て助けてくれたそうです。
エレベーターの中には私しかいなかったそうです。
6人の子供達がこの世の者ではないことはわかっています。
でもなぜ、私のところに来たのかわかりませんでした。
Mちゃんがいつも話をしている青いTシャツを着た「たっくん」は一体何者なのか?
考えれば考える程、わからないことだらけでした。
その日からしばらくの間、私は会社で1人でトイレに行ったり、エレベーターに乗ることができなくなりました。

私はこの日の出来事を家に帰り、祖母に話しました。

「今度の休みにお寺さんに行ってみようかね」

と、祖母は私に言いました。
週末、祖母と家のお墓があるお寺さんへ行きました。
そのお寺は家から歩いて10分程のところにありますが
寒かったので、私が車を運転して行きました。
車だと3分くらいなのですが、なぜか、お寺に辿り着けないのです。
お寺への道は単純で迷うことはあり得ないのですが、道が多少狭いのです。
通ろうとした道の前方にトラックが止まっていて通れなく、Uターンしなきゃいけなかったり、工事中で通行止めだったり・・・・・
普段なら車で3分の距離が小一時間かかりました。

住職さんを待つ為に大広間に通されました。
5分くらいして住職さんが来ました。
私と祖母を見るなり

「あれまぁ、ここまで来るのに大変だったでしょう」

と言いました。

住職さんのあとについて別室へ向かいました。
そこは10畳くらいの部屋で、中央にテーブルが置いてあり、奥に大きなお仏壇のようなものがありました。

「じゃあね、まずおばあちゃんから。お孫さんはそこに座ってってね」

住職さんは祖母をお仏壇のようなものの前に座らせました。
私はテーブルの所で2人を見ていました。

住職さんが呪文みたいなのを唱えながら祖母の回りをグルグル回ったり
祖母の後ろに立ちお経みたいなのをあげながら

「あんたたちの居場所はここには無い。上にあがりなさい」みたいなことを言ってました。

続く