[ふさふさのしっぽ]
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幾日か過ぎる

 その日も、タバコを吸い、眠りにつこうとした、
私の部屋は1階で玄関見える、眠りにつこうとすると、
破れた障子の隙間から光の玉のようなものがっ!
その位置に光る物が見えることはまずない。暗い庭の階段が見えるべき隙間だから。

 霊等、信じた事は一度も無いが流石に一瞬頭をよぎった、
しかし、考えうる可能性の内、最もありえるのは・・・

「懐中電灯を持った人間がうちの庭にいる?」

 そう考えた瞬間、脳裏を恐怖がよぎる。
が、反射的に外に出る、先手必勝。
「泥棒」だったのなら「先手を取らないと勝てない」と即時に考えた。
私はよく「攻撃的な性格」だといわれるのは、この為だろうか?。

「光」が懐中電灯の光であったと確信する、
「黒い人の影」が庭の玄関への階段の途中から私の部屋に向けていた光を私へ向ける

逃げる黒い人影

追跡する私

 私は腕力にはすこぶる自信が無い、格闘になったら負ける自信は9割はある。
だが、迂闊な事に何も持っていない、素手だ。
私の部屋の隅の何処かにあるはずのモーニングスター(玉だけだが)はきっとこの時の為にあったのだろう、
しかし、あいにく追跡して走っている途中で思い出すほど忘れられた存在、
役に立たない鉄の塊はおそらく唯一の機会を逃した。
 「ビルジーから金的へ・・・か」「それともタックルで・・・」
ジークンドーの本と傭兵の本を必死で思い出し、
作戦を考えるが相手がどんな相手だろうと勝てる気がしない、
それくらい腕力に自信がない。

 そもそも”不法進入”では「下手に有効な攻撃ができない・・・」、
などと考えながら・・・。

少し大きな道路に出る、”黒い人影”が止まっっている車の陰に入る

 それををみると直ぐに私は道の真ん中に出る、車を止める為にだ。
通行人などは周囲にはいなそうだ、だが少しは交通量はある。

 通りがかったトラックを止め、事情を話、警察に連絡してもらった。
トラックのあんちゃん、いや、”おっちゃん”という年か?
タバコを一本くれた、トラックの助手席で待たせてくれるそうだ。
そんなやさしい気遣いで私は自分が裸足だった事を気づかせてくれた、
”止まっっている車”からおっちゃんと私は目を話さなかった。

タバコが半分ほどまでになると、警察が来た、意外に早い

 間単に事情を説明し、警察官の二人はその車の陰に近づくとそこには・・・

誰もいなかった。

 トラックのおっちゃんは軽く警察と話し、去っていった。

続く