[サバ下の対戦相手の正体]
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あのゲームから3日目仲間からTELがきた。
P38の予備マガジンを、あそこで落として来たらしいという。そこで次の
土曜に一緒に探しに行ってほしいと・・・車で1時間以上かかるのと、
何か、あの匂いのことが思い起こされて、躊躇したが自分も一度同じ様な
事があったので快く引き受けた。
当日昼前に現地に着いて早速マガジン捜索、1時間弱探したがさすがに仲
間も諦めた様子、そこで何気にせっかく来たので地下室でものぞいて見よ
うということになりマグライトを持って降りて見た・・・
階段の突き当たり左に扉がありそっと空けたとたん・・・またあの匂いが
さすがに気味悪くなり仲間に「この匂い!」といったが花粉症の彼には
それほど匂わないらしい。地下室は8畳ほどの倉庫のような部屋でよく見
るとだれか生活していたような布団や毛布、雑誌などが散乱し小さな冷凍
専用の冷凍庫と家庭用の大きめの冷蔵庫があった・・・冷凍庫の上蓋は開
いたままで直ぐに中が空だとわかった。 そしてよせばいいのに彼がもう
1台の冷蔵庫を開けた・・・電源なんて入ってないのに冷気が流れ出るよ
うに感じた。 中を見ると下段に雪が袋詰めにされ上段には牛乳瓶ほどの
黒い小瓶が沢山入っていた、彼がその1本を手に取りライトを当てると、
その瓶は黒ではなく赤黒いペンキの様な液体が入った透明な瓶とわかった。

私も彼も瓶の中身が最悪の液体ではないかと思ったが確認するすべがない
とりあえず1本持って扉などもと通リに閉めて廃墟を出た、直ぐに車に乗
りこみ運転席の彼は小瓶を私に差し出した・・・手が震えていた。
受け取る私も手が震えていたと思う。
彼は直ぐに車を出した、私は何度も振り返り、あの2人がいないか確認し
た、運転席の彼も何度もミラーを見ていた。
数キロ走ったところで私は匂いに我慢できなくなった・・・彼に小さな橋
の上に止まってもらって・・・吐いた。 持っていた小瓶は川に投げた。
川は浅く割れた瓶から赤黒い液体が流れてた。

とても迷ったがメンバーで相談の上、匿名で警察に連絡した。
新聞などに載らないので何でもなかったかもしれない。

その後あの廃墟から、そう遠くない工場(私の仕事の外注さん)の社長さん
から聞いた話だが、あそこにはホームレスが2〜3人住んでいたそうな。
あと、そのホームレスが朝鮮人だというウワサもあったそうな。

あの2人は北朝鮮の兵士だったのか・・・

もちろん携帯教えたメンバは番号を変え、メンバのだれかに何かあれば
他の全員が警察へ駆け込む事になっている。


次の話

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