[サバゲの対戦相手の正体]

それは、そろそろ平地の雪も消えてゲームの季節が近づいたある日
私はMP5Jを買おうか悩んでいた。
そんなおり仲間から○○店行かないかと誘われて、いつもなら結構
遠いので渋るのですが、その日は二つ返事で同行した。
なんでも、店を閉めるそうで相当値打ちな物もあるそうな・・・
お昼過ぎには店に着いて私は早速MP5Jの前に突撃、しばらくして
なにか変な匂いに気がつきました。何とも言えない。生くさいと
いうのか・・・
その時誰かに「サバゲに使うのですか?」と声をかけられました
店員かと思い振り向くと・・・そこには店員ではなく・・・

20代後半くらいの青年が立っていた。
何を隠そう私は結構年を食ってるが童顔なのとミリタリ系の服装
から同年代と思って声をかけてきたようだ。
その青年、結構若いわりには礼儀も良く私の仲間数人と青年の友
人がもう一人輪になって、しばしサバゲ談議に花が咲いた。
ただ、私はあの匂いがどうもその2人からしてくる様で少し距離
を置いていた。
ほどなく、今度一緒にゲームをしようと言う事になり、その2人
が良い場所(友人の父親所有の土地との事)があるというので、
場所にも困っていた私のチームには、またと無い良い話だった。
その日はお互いの代表が携帯番号を交換しわかれた。

数日後彼らから連絡があり2週間後の休日ゲームを行うことに
なったと私にも連絡がきた。
その時、連絡を受けた仲間が相手が公衆電話だったよと
また、相手の携帯には架けても繋がらなかったそうな。  

ゲーム当日、その場所は数年前近くにトンネルが出来たのでほとんど車が
通らなくなった県道の峠だった。
まだ道の日陰には雪も多くさらに通る車も無い。
ちょうど古いドライブインの様な廃墟がありこの周りで行うらしい。
私たちのチームが車2台で乗り付けると廃墟のかげから2人が手を振って
あらわれた・・・
私を含めチーム一同は驚いた。2人は、まんまロシア兵だ!
完璧な軍装にもちろんAK・・・こちらは米兵風と独親衛隊風の半端な装備
なので少し引いてしまった。早速ゲームとなったが2人は私たち6人を相手
にするという4X4の方がといっても聞かないのでそうした。
もちろん廃墟の中もOKということだったが地下室があるらしく危ないので
絶対入らない様釘をさされた。ゲームは2人が場所を熟知しているせいかい
い勝負に・・・ただ、相当な熟練ゲーマでないとそこまで出来ないほどだ。

数戦終えて小休止してると、またあの匂いが・・・そう店の時と同じだった。 ふと2人を見ると変わった水筒から水を
ぐびぐび飲んでいた・・・っと見ると水でない・・・・赤い私はトマトが大
の苦手なので、たぶんいやーな顔で見てしまったと思う。 言い訳がましく
野菜ジュースなんて健康的だねと話しかけると「まあね」と一言・・・
でもあの歯の赤みは正直気味悪かった。
その後ロシアの軍装について聞いたがほとんど実物とのことだった。

その日は5戦ほどしてお開きに・・・私たちのチームが車で走り出し1kmも
走ったろうか前の車が路肩に止まった。前の運転手はこちらに駆け寄り言った
「あの2人どうやって帰るんだ?」そう、自転車はわからないが車は無かった。
とりあえず林道みたいな道から近くの集落に抜けられるのだろうなどと、
いうことで落ち着いた。

続く