[入ってるはずのない留守電]
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そう言うと相手が
「何マジに怒ってんの?俺だよ俺!」

どうやら電話の向こうは俺の大学の友人で、俺がその留守電の事を伝えると
それはマジで俺じゃねーよとの事。
留守録の時間から考えてその時間はそいつと一緒に電車乗ってたし、そいつじゃないっぽい。
じゃぁ、一体誰の悪戯だったのか?
というか本当に悪戯なのか?
それを考えるとまた怖くなって、毛布に包まってテレビ見てました。
また、間の悪いことにその時やってたのがアンビリーバボーの心霊特集。
蔦谷で借りてるビデオは稲川純二。
怖いことこの上なかったんですが、
そのテレビを見ててふと思いました。
「あ、このテープ送って検証してもらおうかな、怖いから・・・。」

そうこうしている内にいつの間にか寝てたんですが、
電話の鳴る音で目が覚めました。
時計の時間見ると12時半、丁度姉の帰ってくるころでした。
夜遅い時はいつも駅まで迎えに行っていたのでその電話だと思い、
受話器を取りました。
「はいもしもし、あれ?あれ?」
受話器を上げてるのに電話が取れません。
「あれ?おかしいなぁ・・・。」
「!!?」
おかしいのは其れだけじゃありませんでした。

友人からの電話があってから電話が鳴るのが怖くなったので、
『電話線と留守電のコンセント抜いてたんです。』
『なのに今電話が鳴ってるんです。』
あまりの恐怖にパニックになりながら受話器をガチャガチャと置いてみるものの、
一向に切れる気配がありません。
そのままコンセントを抜いているにも拘らず留守録のメッセージが流れ始めました。
「ご用件のある方はピーという発信音の後に・・・」


万が一、何かの間違いで電話が繋がっていて、
コンセントが刺さっていないにも拘らず留守録が起動したとしましょうか。
電話が鳴り続けて留守録に行くまで10数回コールしないとなりません。
そこまで鳴らして留守録に行くという事は、何か用件があっての事だと思うんですが、
留守録が始まってから電話の向こうはずっと無言。

続く