[霊を呼び出す法]
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俺が見た赤いスカートの女の子なんて「何か起こったら面白い」なんて考えていたから
無意識のうちに作り上げた虚像だったのかもしれないし、恐怖から起こった気のせいだった
のかもしれないし、火事だって偶然だったかもしれない。
だけど、火事があって少し経ってから、Cさんが「○○(俺)君、あのね・・・」と
言いづらそうに話しかけてきた。「変だと思わないで聞いてね。私ね、あの放課後から
尻尾がたくさんある白い狐が見えることがあって・・・」それを聞いて、実は俺も、と
赤いスカートの女の子のことを話した。二人で話しているうちに気づいたのは、
鏡の前で目を閉じて念じていたとき、俺は「トイレの花子さん」と思い浮かべていて、
Cさんはふと「こっくりさん」をイメージしていたという。他の奴らにも話をしたら、
全員、何かしら白い靄のようなものを見ていた。あのとき、俺達はやはり何かを呼び出して
しまっていて、その何かはイメージを持っていた俺とCさんにはその通りに見えて、
特に何も思い浮かべていなかった他の奴らには白い靄のように見えていたんじゃないか、と
推察した。Cさんが借りた本には『呼び出す方法』しか書いてなかった(無責任)。
俺達は前にやったように鏡を囲んで、「遊び半分でやってごめんなさい」と念じた。

あれ以来、俺は赤いスカートの女の子を見なくなった。
ただ相変わらず学校の怪談は絶えず、ある日突然各教室の鏡が取り外されたり、
外のトイレの鏡もはずされたり、少年野球の学校での合宿がなくなったり、
いろいろあった。理由が告げられないので、皆好き勝手な噂をしたが、
案外あたっていたのかもしれない。鏡が外される前の授業中に、先生がひきつった顔で
鏡を見ていたのをたまたま見てしまい、それが忘れられないw
Cさんが借りた本に書いてあった方法で、本当に呼び出せたとは思っていない。
本当に呼び出せていたのだとすれば、それは皆が「何か起これば〜」なんて面白半分に
やっていたのを、何かが怒ったからだろう・・・なんて思ってみたりする


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