[同じ夢]

高校の頃、同じ夢を一週間続けて見た。

決まって下校時から帰宅迄の時間帯の内容であった。
友人と話しながら小田急の鵠沼海岸駅で下車し徒歩で家路へと向かうと云う何の面白くもない内容の夢だ。
しかしながら案外夢の記憶や内容は覚えているつもりでも突飛でしかも断片的なもので所々抜けてしまっている場合が多い。

何時もながら友人と一緒に電車を降り何時もの様に歩きだす。

しかし何時もと同じパターンなのに何故か「これ夢で見たのと同じだ」と気が付いた。

そう思わせるのは天気なのか雰囲気なのかは分からないが何時もと同じ帰り道なのに・・・

友人と歩きながらある事を思い出した。

「そう謂えばこの先の小さな交差点に差し掛かったところで何時も夢が覚めるんだよなぁ」と・・・

多少は気にはなったものの友人と話しながら歩いているうちに其んな事は頭の片隅へと追いやられてしまっていた。

例の交差点直前迄迫った時に「ハッ!」と其の事を思い出した。
と同時に「キキーッ!」とけたたましくブレーキの鳴く音・・・

「危なかったぁ。夢で見たのはこの事の暗示だったのかぁ?!」

幸い怪我は無いのだが私は車を降りて向かって来る運転者を凝視していた。

運転者は私に向かって言葉をかけてきた。


「ねぇ、これ夢で見たでしょ?」


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