[祝日のごみの日]前ページ
そして、その日。私は彼に呼ばれてその話を聞かされました。
「怨恨だとしても手が込んでいるというか……」
「儀式的ですよねぇ、大安とか祝日を狙うっているのは」
「うーん。なんかそういう呪みたいなのがあるのかなぁ……」
「僕は聞いた事が無いんですが……でも、なんか邪悪ですよね……」
「うん……それでね、聞いてほしいんだけど……」
「なんですか?」
「そろそろ危ないと思う……」
彼の言う所によると、最初はあまり生物的な感じがしないものだったという。
「肉片がさ、例えば市販の豚肉みたいな感じだったし、何か血も絵具っぽかったのよ。で、俺は悪戯だと思ってたんだけど。次は、本物の血肉で、でも市販の感じだったな。
精肉の前の段階をなんて言うのかしら無いけどああいう感じだったんだよ。血もなんか水増ししたみたいな感じだったし。しばらくはそんな感じだったんだけど、今回は……犬だろ?
犬って生きたまま殺さなきゃ、なんないじゃん」
つまり、次は犬より上の何か……猿とか人とかと言いたいのだろうと言う事はすぐにわかりました。
「いや、それは無いですよ。ありえないですよ」
「そうかなぁ」
私は、すぐにその場を辞して帰宅しました。あんまり気持ちの良い話では無いしあながち信じられる話でも無いし。