[ストーカー転じて]前ページ

二人とも落ちついた後、僕は彼女にKの怨霊が何回か出た事を告げ、
「もうお前はこの部屋にくるな。」と言った。
彼女は「この部屋を引き払おう。出よう。」と言った。
僕は断った。「ふざけんなよ。誰が逃げるか。」半ば意地になっていた。
それに、何処に逃げてもKは追ってくる事を確信していた。
次の日、朝一番に神主に「成仏していない」と言いに行った。
ひとしきり謝られた後、一つおいて神主は僕に
「君はもう助からないかもしれない。」と言われた。

その日から3週間くらいは、毎日Kが部屋に来た。昼夜問わず。
抵抗できる時は抵抗したが、完全に体の自由が聞かない時は
顔中や首を舐めまわされたり、首をしめるマネをされたりした。
一度あきらめた時があった。もう無理だろうと。死を覚悟した。
「・・・わかったよ。もう殺せよ。」と言ってしまった。
Kは俺の頬を撫でながら「・・・フフ。楽しい。」と言いながら立ちあがり
ドアの方に歩いていき消えた。 
塩を置いてもお札を貼っても全く効果がなかった.

出雲神社には4月にお祓いをお願いしにいきました。
   確かにKが現れる頻度は落ちていましたが、
   「怨霊がついている風には感じない。」と言われました。
   一応お祓いはしてもらいましたが。
   まだKは部屋にも部屋以外にも現れます。


2月始めくらいから、Kが出ることは頻繁には無くなった。
出てもたまに姿が見えるくらいで、何もされない。
KとSEXする夢は良く見る。最後は「死の気持ち良さ」を呟かれて終わる。
Kが彼女を殺している夢も見た。
俺が「それだけはやめてくれ」と叫ぶと、Kは狂ったように笑う。
その後男の声で「溶ける・・・溶ける〜〜」と言うのが聞こえた。
目が覚めると大量の涙を流していた。

3月始め、Kの友達(Mとする)が狂った。
うちのクラブで男がMを抱えてソファーに連れていった。
カウンターからは見えないが、凄まじい奇声を発している。
カウンターを下の子に任せ、様子を見に行くと、
目が飛び出しそうになるほど開いたMが叫んでいる。
その男に「タマ食ったか?」と聞くと、「多分・・・。幻覚のひどいやつらしいっす。新種らしくて。」
Mは「ぎゃぁぁっぁ!!助けてください!!もう嫌だァァァァァ!!」と叫び、
たまに「K〜K〜ごめん〜 K許して〜」といい、直後
「ごぉぉぉぁぁぁぁぁ」と低い叫びをあげ泡を吹いて気絶した。

僕が「おいM!M!!」と水をかけたりほっぺを叩くといきなり
目を飛び出すほど見開く。そしてまた叫ぶ。
「殺される!!こ〜〜〜ろ〜〜さ〜〜〜れ〜〜〜る〜〜〜!!許してください〜〜・・・・」
「おいM!!俺が分かるか!!?」と言うが反応がない。
「だめっす。多分○○君も見えてないです」と男が言う。
救急車はまずいので暴れるMを抱えスタッフに車で病院に運ばせた。
その3時間後、点滴で抗生剤を打ち一旦は落ちついたに見えたMだったが
病院を脱走しビルからとび降りて死んだ。

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