[アイスクリームのサービス]
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結局それから恵子の子供が見つかることはなかった。それからというもの恵子は悲しみのあまり引きこもってしまった。
しかし子供の失踪事件はそれだけ
では終わらず、その後も近所で数人の子供が行方不明になる事件が相次いだ。
春子が近所で聞いた話だと、失踪した子供は皆例のアイスクリームバスで
毎日遊んでいた子供だったそうだ。怖くなった春子は息子の洋介にあのバスに乗ることをやめさせようとした、しかし洋介はそんなことは聞かず、隙を見て
バスへと乗ってはアイスクリームをほおばりながら帰ってくる。バスの運転手に最近の失踪事件のことを聞くが、運転手は自分達とその事件は無関係だと
主張し、警察もなんの手がかりもなかったためか、バスのサービスをやめさせようとはしなかった。
夏休みも終わりを迎えようとしている頃、とうとう我慢の限界に達した春子は洋介がバスに乗った後でそのバスの中を覗き込んだ。
するとバスの中には大量
のアイスクリームが並べられており、子供達がおいしそうにアイスを食べているのだが、おどろいたことにそのアイスクリームは子供用にしてはサイズがとても
大きく直径一メートルぐらいはあるだろうか、それをみんなでかぶりついているのだ。
恐ろしくなった春子は無理やりバスをとめ、運転手に子供達をおろすよう
に伝えるが、運転手は耳を傾けずに無視してバスを走らせてしまった。また次の日、洋介が友達を家につれてきて仲良く遊んでいる。
今日はバスもこないらしく
安心して春子は買い物へと出かけた。買い物を済ませ帰宅すると、洋介の子供部屋が大量の水がこぼれたかのようにぬれている。
そのそばで洋介は友達とよりそ
いながら座っている。まるでアイスクリームでも食べるかのようにお互いの体をなめながら・・・・
しだいに異臭が部屋一面に匂いだし、それとともにみるみる息子の体が溶けてゆく、それでも洋介はなめることをやめずになめつづける。
なぜか春子は金縛りに
でもあったかのように動けなくなり、そのありえない光景を見ていることしか出来なかった。
気がついた頃には友達も洋介もアイスクリームのように溶けて消えて
いたそうだ・・・・
それからはあのアイスクリームバスもやってこなくなり、あのバスの行方は誰にも分からない。