[目の不自由な人]
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いよいよ格闘のことまで考え無口になっていると
急にその女性は
「ここらあたりのはずです。マンションの名前を言ってください。」と言い
私が○○○マンションです。というと
「ここでいいです。どうもありがとう」とあっさり解放してくれました。
しまった!!やっぱり私の勘違いだった。と恥ずかしく思いましたが、
冷静になるにつれてどうしても変だと思い
(目が見えないのに自分が道を間違っているとなぜ分かる?等
どうしても気になり、そのマンションが見える角路地で入口を隠れて見ていました。
するとものの1分もしないうちにさっきの女性が降りてきます。
しかも階段をスタスタ軽やかに!
やぱっり悪戯だったのかと、文句を言いに出て行こうとしたとき
もう一人誰か階段から降りてきました。
その男性は20代後半くらいでものすごく太っていて
なんと両腕がない人でした。

その2人は誰かを待っているようにきょろきょろして
何かボソボソ話しているようですが聞こえません。
するとその女性が急に男性のトレーナーを引きちぎるように脱がせ始めました!
両腕のない男性は抵抗しているようでしたが、あっさり脱がされました。
遠目にでもその人の腕のない肩の断面や、あまりの突然のすざまじい光景に
わたしは涙をボロボロこぼしながら、でも必死で声をださずに見ていました。
逃げ出したかったのですが、脚がすくんでいるのと見つかって追いかけたらという恐怖で動けません。
男のひとは上半身裸で地面を転がりながら何か叫んでいます。
すると女性はバックから魔法瓶(?のようなものを取り出し
男性になにか液体をジャボジャボかけ始めました。
湯気が見えたので、そうとうHOTなのがわかり
もうすごい絶叫なのですが、近所からはだれも出てきません。
私はもう恐怖に耐えられなくなり走って逃げ出しました。
幸い追ってこられてはなく、夢中で自分のマンションに逃げ込み
一晩中半泣きで過ごしました。
あれは何だったのでしょうか...
異常に長文ですみません。
だれか同じような人に出会った人いますか?もう6年前の話です。
ちなみにこの話は後日談もついています。聞きますか?

後日談ですが、
もうそのことがあってから2年くらい経過して
わたしもすっかり恐怖を忘れたころ
あるデパートでエスカレーターに乗っていました。
最上階に向かっている途中、途中の階のフロア-に
なぜだか目に飛び込んでくる人物がありました。
歩きながら本当に一瞬その人影を見ると
あの女性です。
全く同じ服装でサングラス。間違いなかったです。
白い杖は持っていなかったのですが、
今度は女性の片腕がありませんでした。(そう見えました。
女性は私の方に気づいている様子もなく、自分の足元を見ていました。
その先にはベビーカーがあり、その中の赤ちゃんにもう1つの腕で何かしようとしている
そばのお母さんは商品棚の方を向いていて全く気づいていない。

その光景が写真のように眼に焼きついていて
意識するより体がエスカレーターを駆け上っていました。
エレベーターで降りダッシュで自宅へ帰り、またもや半泣きでした。
もう、あのような人とはどんな形でも関わりたくなく。
赤ちゃんの事が心配でしたが、誰にも話しませんでした。

いつかまたどこかで会いそうな気がして鬱です。
聞いていただいてありがとうございます。


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