[お札の家]
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Bあの女はどうなったのか
実家に戻る前に両親に全てを打ち明けていたSは両親同伴の元、地元にある大きな寺を訪れた。
驚くことに、寺に着くなりSは住職により本堂に案内され、「ここで全てを打ち明けなさい。」と言われた。声の出せないSは紙とペンで全てを打ち明けようとした。しかし突然、途中でペンが止まった。
あれだけ意識がハッキリしている時に、しかも呼吸が出来ない程の金縛りにあったのは初めてだったという。突然Sが苦しみ出したので住職達は大急ぎでお祓いを始めたらしい。
しかし目の前が真っ暗になり、数人のバタバタという足音、お経や金属音を暫く聞いてプツリと意識を失ったらしい。
次に目を覚ますと寺の客間の布団の上で、住職と両親が側にいた。住職が話してくれた。
特に強い怨念を残した霊で、憑き方が普通ではなかった。内側から侵食しており、Sはもう少し遅ければ本当に危なかったとのコト。
住職は「中々出て行かないのでこんなモノを使いました」と木彫の仏さまを見せてきた。身代わりの効果があるらしく、簡素な作りの人形だったがSにはとても神々しく見えたという。
Bあの女はどうなったか その2
Sが声を失ったのにも意味があるらしかった。声には力があるらしく、霊が媒体を支配する際にその力を奪う、と言うのは良くあるコトらしい。言霊(コトダマ)と霊は密接に関係しているそうだ。
お祓いが済んでもまだ声を出せない様子のSを見て両親は心配したが、住職曰く「もう大丈夫。栄養をとって数日落ち着けば声も出るでしょう」とのコト。
実際一週間程で徐々に声は回復し、以前通りの生活を過ごせるようになったという。
その後しばらくしてSは派遣業者に勤め、無事に今まで過ごしてきたとのコト。
コレが自分の体験霊体験の全てです。Sはお祓いの後、あの女はおろか一度も霊を見ることがなく、霊感を無くしてしまった、と語っていました。身代わりの仏さまにそういう力ごと封印されたのでしょうか?
とにかく本当に危ない心霊スポットには遊び半分じゃなくても近づくもんじゃないってコトですね。
我々にそういう異界のモノをどうにかできる力なんてありゃしないんだと思い知らされましたよ。
長々と失礼しましたー。