[ハカソヤ]
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ハカソヤの役目はもう一個。
ハカソヤさえあれば例え手篭めにされても、男に呪をかけて復讐することが
出来ると信じられていたそうです。

とある女が村の男に迫られて強姦されましたが、無理やりされていることの
最中じゅうずっと「ハカソヤハカソヤ」と唱えていたら、男がいきなり
内臓を口から吐いて死んだという言い伝えがあったようで。

だからハカソヤは独り立ちする女に渡されるのか!
自分を傷ものにする男を殺すために!
と、その時唐突に理解し、背筋がぞっとしました。

と一緒に、ハカソヤの語源はは「破瓜・初夜」のもじりじゃないか?だとか、
「(男に内臓)吐かそうや」だったり「(男に一泡)ふかそうや」だとか、
「私を傷つける『粗野』な男は殺してしまえ(墓)」だとか、諸説あることも
一緒に叔母から聞きました。
(個人的には一番最初の説じゃないかと思います。お守りの性質上…
 で、あとはハカソヤって響きから連想した後付じゃないかと思っています。
 男が内臓吐いたって話ももちろん)

「じゃあ私はそんな呪いの言葉をめでたいめでたいって意味で使ってたの!?」
と驚くと、叔母はあわてて訂正しました。
「ハカソヤが向くのは男だけよ。女の人に向けていったら『幸せなはじめてを
 経験できるといいね』って意味になるから大丈夫。
 だから男の人に聞かせたらいけないんだけどね」
昔は結婚まで性交渉なんかしなかったでしょうから、結婚する人に向かっては
悪意などない、祝福の言葉以外の何者でもなかったようです。
今では婚前のセックスなんて当たり前のようになってしまったから、形骸化した
挨拶になってしまっているようですが。

母の実家に帰るたびに変な習慣だなーとは思っていましたが、まさかこんな
意味があったなんて…しかもそれをいまだにほとんどの男性から隠し通している
あの集落の女性達のハンパない団結が怖いです。
村ぐるみで男の人を仮想敵にして、がんばってるみたいで…

大体このどこの誰のかも分からない血が(それも破瓜の)付いた布つきのお守りなんて
正直もっているのが気持ち悪いですが…捨てていいもんかどうか。
まさか叔母には相談できないし。第一私一応もう処女じゃないし…いいかな?
と思いつつまだ手元にあります。困った… orz


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