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[炎と氷]
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マサさんは俺に赤黒い色をした丸薬を飲ませた。
鉄臭い匂いが口の中に広がる。
次に濃い茶色をした熱い飲み物を湯飲みで一杯。
これは俺にもすぐに判った。すこし他の味も混ざっているが、高麗人参茶だ。
そのまま横になって30分ほど待つと体がポカポカしてきた。
するとマサさんが俺にうつ伏せになれと言う。
俺がうつ伏せになると、マサさんはいきなり俺の尻の穴に指を突っ込んできた。
drftgyふじこlp;@***** な、なにを?!
マサさんの太い指が俺の菊門を探る。そして、いきなり親指を尾?骨の上辺りに当て、テコの原理でゴキッとやった。
尾?骨から背骨を通って、電撃が俺の脳天を叩いた。
あまりの痛み、ショックに目の前に星とも雷ともつかない光がスパークした。
マサさんは、そのまま腰から首にかけて背骨に沿って灸を据え、灸が終ると俺を仰向けに寝かせ、体の前面に針を打った。
打った針の頭に灸を着けて線香で火を点けると「呼吸は自然にして、ケツの穴を締めながら眉間に意識を集中しろ」と言った。
マサさんが指を置いた眉間の部分に意識を集中すると、濡れた指でワイングラスの縁を擦ったときのような音が頭の中に響いた。
集中度を高めると「音」は高音になり大きくなった。
やがて、目をつぶっているのに眉間の部分に白い光がポツポツと見え始めた。
光は徐々に大きく、強くなり視界の全てを覆った。
光の眩しさに耐えられなくなった瞬間、頭の中に大量のガラスを一度に叩き割ったかのような音が響いた。
すると、背骨に沿ってゾクゾクするような物凄い快感がゆっくりと登って行った。
射精時の快感などまるで問題にならない強烈な快感だった。
「快感の塊」が頭に達した瞬間、物凄い爆発音を聞いた。
俺は意識を失った。
どれくらいの時間が経ったのだろう?
横に目をやると疲労困憊したマサさんが倒れていた。
俺も酷い有様だった。
胸や腹には物凄い量の精液がこびりついていた。
あの強烈な快感を感じている間、俺は何度も射精を繰り返していたようだ。
顔の皮膚も突っ張る。大量の鼻血と精液の一部が乾いたものだ。
目が覚めて暫くするとマサさんが起き上がって、俺の体から針を抜いた。
針を抜き終わるとマサさんは「シャワーを浴びてよく眠れ。目が覚めたらここに来い」と言った。
本宅に戻ってシャワーを浴びて、鏡を見た俺はゲッソリと肉の落ちた自分の姿に驚いた。
70kgから60kgほどまでに激減していた体重は、3日間何も食べていなかったせいもあったが、55kgを僅かに切っていた。
更に翌朝目覚めた時のショックは大きかった。
全身の毛が抜け始めていたのだ。
来た時に剃り上げられたのが伸びて黒くなり始めたばかりの頭髪はもとより、胸毛や脛毛、陰毛まで3日ほどで全て抜けた。
残ったのは眉毛とヒゲくらいか?
抜けた毛はすぐに伸び始めたが、ガリガリでつるっぱげの自分の姿を鏡で見て、俺は大いに凹んだ。
俺は前日のマサさんの指示通り、動揺する気持ちを抑えて道場へ向かった。
マサさん正面に胡坐で座ると、マサさんは俺の目の前、50cmくらいの所に掌を広げた。
マサさんは俺に「何が見える」と聞いた。
マサさんの掌が何か透明なベールのようなもので包まれているのが見えたのでそう伝えた。
「これはどうだ?」顔に熱気を感じたので「熱いです」と答えた。
その次は冷気を感じたので「冷たいです」と答えた。
マサさんは特定の指から発する『気』を長く伸ばしたり、気の『色』を変える度に「これはどうだ?」と聞き、俺はそれに答えた。
ふーっと息を吐いてから、マサさんは俺の肩を叩いて「よかったな、成功だ」と言った。
マサさんは俺に様々な注意を与えた。
最も重要なものは「丹田から気が溢れても尾?に気を流し込んではいけない」というものだった。
ヨガの行者などは呼吸法やその他の行で集めた「気」を尾?に目一杯溜め込み、気道を一気に駆け上がらせるらしい。
しかし、持戒や瞑想、宗教的な「行」を修めて「煩悩」を滅却してからでないと気が滞り、発狂したり命を落とす危険があるらしい。
マサさんの行った「処置」は丹田に「気」を取り込む為に「気道」を開けるものだった。
「気道」を開く作業は、通常の修行により安全を確保しながらだと最低5年から10年掛る過程らしい。
しかし、それを短期間で終らせるために、危険な薬物を使い、鍼灸により経絡を操作し、無理やり気道に「気」を送り込むと言う博打を打ったのだ。
個人の「丹田」の強さ、キャパシティーにもよるが、丹田に溜め込める「気」の量には限度がある。
日本人は丹田が異常に強い民族らしい。
それに俺は空手やその他の「力」を使うスポーツを色々やっていた。
大きな力を出す時、手足の筋肉や腹筋・背筋ではなく「丹田」を特別な訓練もなしにしっかり使っているのは、マサさんが知る限り日本人だけだそうだ。
俺の処置が成功したのは丹田が強かったからだと言う事だ。
続く