[3文字]
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『その電話を取るな!』
ところがもう遅かった。恐怖に耐えかねた主婦のYさんが、電話を取ってしまったのだ。
すると、はしばらく受話器に耳を当て、しばらくして、主婦は例の三文字の言葉を放っ
た。
『はたよ』
………何て意味不明な言葉だ…何かかなり意味深いものを感じ、何故かものすごい寒気が
してくる…。
そして、102の若い女性がいつの間にかいなくなっていた。102に戻ったのか?危な
い!102はまだ電話が鳴っている!取ったら…おそらく…!そう思ってた矢先、電話の
音が消え、また聞こえた。
『はたよ』
…もう終わりだ。すると、俺の部屋からも電話の音が聞こえてきた。まさか、
このアパート全体に…!?まあいい、そんなの取らないに決まってる!まず女性の所に…!
そう思って102のドアを蹴飛ばした!      

…女性は無事だった。電話を取った後、部屋の隅
でうずくまっていた。
ひとまずホッとした。しかし、俺は忘れていた。あの主婦は…?
俺は急いで103に向かった。ドアを開けると、…驚いた。
主婦も無事だ。小刻みに震えながらやはり部屋の隅でうずくまっていた。僕は逆に不思議
に思った。何故電話を取った二人が助かったのか…?ただのイタズラだったのか?いや、
それは無い。実際にそれで101と201の人は目玉を取られて首を刈られ殺されてい
る。………待てよ?101と201の人は電話を取ったのか?…もしかして、取ったから
死んだんじゃなくて、『取らなかった』から死んだんじゃ…。
ものすごい寒気がした。まだ俺は電話を取っていない!まだ電話は鳴っている。
『急げ!』
俺はあせりながらも、急いで自分の部屋に戻った。
『プルルルル』
『プルルルル』
『プルルルル』
『プルルルル』
『プルルルル』
よかった、まだ電話は鳴っている!あれを取れば……助かる…助かるんだあ!俺は急いで
電話を取った。だが、それは自分が予想していた三文字とは全く違う言葉だった。

『おそい』

そしてノックの音がした。


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