[池にいた何か]
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新聞を読んだ人らが話してたのはただの「野犬の話」だったんだけど、
俺があちこちで聞いて回ってたもんだから、
しばらくすると、「CBRの人の彼女から聞いた」っていって、
とんでもない話をする人が出てきた。その話には野犬なんか出てこない。
かわりに洒落にならないモノが出てくるんよ。
その話でもたいがい怖かったんだけど、
実はそれから数年後に偶然CBRの人と会って、もっと確かな話を本人から聞いた。
これからはその時聞いた話。
CBRの人とその彼女、CBRの人の友達(ややこしいから以降TZRの人)とその彼女、
計4人で夜景を見に行こうとして、二台のバイクにそれぞれ彼女を後ろに乗せて
生駒山をウロウロしてたんだって。
だけどなかなかいい場所が無くて、いいかげんウロウロするのに飽きて、
たまたま見つけた夜景なんか殆ど見えない公園で休憩してから帰ろうってなったらしい。
4人とも初めての公園で、公園の名前は知らないって言ってた。
小さい公園で、入ってすぐの所左手にトイレがあって、右手奥に池がある。そんなとこ。
深夜だしなんか気味が悪いなとは思ったし、女どもは「怖い怖い」って言ってたけど、
なんせ疲れてたから休みたくて、ベンチを求めて池の横を通って公園の奥へ歩いて行くと、
いきなり池の方から「ドボン!」って音。池のほうを見ると、おっきい波紋ができてる。
かなり大きな石を投げ込んだような音だったって言ってた。
その池は周囲をぐるっとフェンスで囲まれてて、
そのフェンスを越えるぐらいの高さまで、さっきの音を出せるぐらい大きな石を投げ上げるのは
かなりの力持ちじゃないと無理。って言うより、力持ちどころか、自分ら以外に誰も居ないのに、そんな音がしたのでほんとにビビったって。
TZRの人の彼女が怖がってしくしく泣きだしたし、CBRの人も休憩する気が失せるぐらいビビったので、
もう公園から出ようって事になって、入り口に戻る為、池の横を通ろうとした瞬間、また「ドボン!!」
続く