[恐怖郵便]
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僕はJとYさんに、先にYさんの部屋に戻るように言い、
僕の家にお札を取りに戻りました

大畔の坊さんというのは、
「かんひも」の時に、僕とKを祓ってくれた坊さんです。

普段は、酒飲みで肉も食べるわ、嫁がいてバツイチだわ、
生臭さがプンプンする坊主ですが、
霊験はあらたかなようです。
僕が、変なモノを見るようになってから、
魔よけのお札を書いて送ってくれていました。

僕は、札を取ると、教えられたYさんのアパートへ向かいました。
時刻は夜の8時でした。
部屋に入ると、青ざめたYさんとKが待っていました。

僕は爺ちゃんに教えられてとおり、
部屋中の窓と、玄関のドアノブに、札を貼りました。
そして、落ち着かないまま、
3人で時間を待ちました。

緊張していたせいか、
時間がたつのはあっという間でした。
時計の針は、1時55分を指していました。

「・・・・!」
一番最初に異変気付いたのは、
Yさんでした。
「来た!!」
震えながらYさんは、
自分のベッドに潜り込みました。

「・・・・カッ、コッ、カッ、コッ・・・・」
足音です。
同時に、僕の背中に、冷たい電流が走りました。
ものすごく、嫌な感じがします。
「・・・・カッ、コッ、カッ」
足音が、部屋の前に止まりました。

そこで、僕は重大なことに気がつきました。
なんと、間抜けなことでしょう!
一番肝心な、ポストのフタに、札を貼ってありません!
かといって、今から貼る勇気はありません。

何かが投函されるのか、と、
僕とJはポストを凝視していました。

続く