[恐怖郵便]
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●9月28日●
その日は休日で、Yさんは友達とファミレスで昼食を取っていました。
今度の休みの計画や、好きな歌手のライブの話しなど、
いつものように、話しは弾んで楽しいランチのひと時でした。

「・・・・!」
Yさんは、友達と話しながら、
見るとはなしに見ていたテレビの画面に、
信じられないものを見つけました。

「・・・・昨晩午後7時30分ごろ、
××市に住む・・・・・○山 ×夫さん、3○才が、
自宅で死んでいるのが発見されました・・・
死因は・・・・警察では事件と事故の・・・・ 」

それは、まさしくあのはがきに記入された名前でした。
Yさんは恐ろしくなり、慌てて家に帰りました。
はがきの名前を確認するためです。

家に着くなりYさんは、玄関の隅に置いておいた
ごみ袋の中を探してみました。
あのはがきが来てから、まだごみは出していないので、
この袋の中にあるはずなのに、
全く見当たりませんでした。
でも、あれは間違いなく、
あのはがきに書いてあった名前だったのです。

------------------------------------------------「う〜ん・・・」
話しを聞き終わって、僕は思わずうなってしまいました。
「まあ、でも、その後はなんともないんでしょ?」
僕が口を開くと、
Jが首を振りました。

J「それだけじゃ、ないんだって。
 それから、もう4回・・・同じことがあったって・・・
 もう、5人、死んでるって・・・」

僕「でも、それだったら、変質者か、悪質ないたずらじゃないの?
  警察に行った方がいいんじゃない?
  へたしたら、殺人犯からとかってことも・・・」

僕とJが話すのを黙って聞いていたYさんが、

Y「違うの。
 だって、みんな、死に方が違うの。
 調べてみたけど、心臓麻痺の人や、交通事故の人、病気の人。
 殺されたとかじゃないし、みんな住んでるところがバラバラなの」

僕は途方に暮れてしまいました。
今まで、そんな例は見たことも聞いたこともありません。

J「それに、ゆっくりもしてられないんだ・・・」
Jはそういうと、Yさんに目配せをしました。
Yさんは、少しためらうと、バックから何かを取り出しました。

続く