[憑き護]
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そもそもプールの水深はA先生が溺れるほど低くはない。
当時身長150cm満たない俺でも肩は出るくらいの水深だ。
女性とはいえ、そんな俺よりも背が高かったはずのA先生が
足がプール如きの溝に挟まったくらいで溺れるだろうか?

ああでもない、こうでもないと、男女で揉めてる所に
A先生にベッタリだった女子2人(この子らもちょっと関係あるのでB、Cさんとする)
のうちのBさんが、半ベソかきながら

「・・・・・顔があった」

と言った。

その言葉を聞いたCさんが凄い怖い顔をしながら
「Bちゃん!!!!」
と叫んだ。あの顔はたぶん一生忘れられない。怖かった・・・。

顔とか言われて何が何だかわからないし
ちょうど男女が揉めて騒いでる中だったせいもあ

顔とか言われて何が何だかわからないし
ちょうど男女が揉めて騒いでる中だったせいもあって
誰も聞いてなかったようだが
CさんのBさんを一喝する声のせいで全員が静まった。

「顔ってなに?」
誰かが聞いたけど、BさんもCさんも二人でボソボソと言い合いをするだけになって
返答はこなかった。

二人とも元々微妙に人と接しないような性格をしてて
二人だけの世界を共有してるような雰囲気がいつもあったので
これ以上二人に触ってもしょうがないっということになりそのまま流すことにした。

とりあえずA先生を心配している女子と好奇心強めな俺と男子数人で
保健室まで見舞いにいくことになった。

A先生は保健室にはいなかった・・・

保健の先生曰く、足の怪我が酷くてここでは応急手当しかできないので
病院まで搬送してもらったと言う。
子供ながらに俺たちは不信に思った。
A先生は2日後に学校に戻ってきた。

続く