[めしうま]
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その後はもう気になってしょうがなかったから、ねほりはほり聞いた。
なんでも、その女の人はかなりの別格なんだそうだ。
今までいろんなのを見てきた中でもSクラス、比較できないくらいにエグイ怨念をもってるらしい。
殺すなんてぬるいわ…不幸になってしまえばいい…人の不幸を見てるのが究極だわ…
要約するとこんな感じの幽霊らしい。
なんてめしうまなヤツ。(以下、めしうま)
俺の母親はバツ2なんだが、
いつも結婚してもうまくいかないのはめしうまのせい
って巫女が言ってた。
俺もこれまで実家で何回か心霊体験をしたことがあって、それを思い出してみると合点がいった。
中学二年の冬、夜中二時頃にトイレにいったとき廊下の窓の向こうに光る物体が目に入った。
窓はスリガラスでボヤっと見えただけだからあまり気にせずにトイレに入った。
でもふと思った。
トイレに向かう廊下の窓の先は壁があるだけだから、バイクの光も反射するわけないし、ましてや人が深夜二時になんか光を持って通るわけがない、と。
で、あ、いるって本能的に思った瞬間、開いていたトイレの小窓を女の顔だけがこっちを見ながら横切っていった。
その女、めしうまの特徴と一致。
中学三年の夏、めずらしくも家族旅行にいく前夜で夜中まで寝付けず、テレビを見ていた。
そしたらいきなり俺の部屋のドアがガタガタ言い出した。
えっ?と思ってテレビの音量を下げてドアに意識を集中させた。
でも特に何も起きないから、またテレビの音量をあげた瞬間、またガタガタ鳴っている。
ドキッとして、テレビの音量を下げた瞬間、ドアの向こうでなんとも表現しがたい女の笑い声が聞こえた。
なんというか、人間の声とはちょっと違うような、幼女のような成人女性のような・・・
とにかくなんとも表現できない笑い声だった。
旅行前夜で雨戸はすべて閉め切っていたし、みんな寝静まっていた。
今思えば、幼少期(4〜5歳位かな)にも電波女と巫女が言うような特徴の女を何度も目撃していたような気がする。
夜寝ているときに、目が覚めて、和室だったんだけどふすまの向こうに(ガラスですりがらす)
女の人が、すり足みたいな感じでふすまの端から端を何度も往復して歩いているのも朧げに覚えている。
すりがらすで見えないはずなのに、なぜか女の人だと頭ではわかる奇妙な感覚。
そのとき俺は、それを母親だと思っていた。
今思えばそれもめしうまなのかと思ってしまう。