[呪いの運び手]
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うおー、スマンでした。Aが帰ってきたもんでちょっと声掛けてきたっす。

で、足音が廊下の突き当たりに到着した頃、俺の携帯が鳴ったんだ。
ほぼ思考を麻痺させながらも「あい?」って出たら、
ひどくあわてた様子のAが、
「Bさん!ドアにお札!カバンにお札あるから!」と言う。
「?」と思いながらカバン探ると、確かに同じお札がそこにある。
Aに言われるまま、それを真っ黒になったお札の横に置いてみたところ、
ガラスか何かを割るような大きな音が廊下に鳴り響いた。
歌声が止み、突然の静寂。
いなくなったのか?と思い、ドアに近づいて聞き耳を立てたところ、
ドア一枚隔ててすぐの所で、奴は何かをつぶやいている。
不明瞭で意味が分からないが、なんとか聞き取れた部分を文字にすると、
「しかばなら(しからばな?)」「こつ」「だいた」

ひとしきり早口でしゃべると、さっきまで、
ぺた・・・ぺた・・・ぺた・・・ぺた・・・
くらいのスピードだった足音が
ぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたっ!
って高速になり、部屋から離れ廊下を走り去っていく。

足音が階段を上がっていったあたりで、ふにゃふにゃと腰が抜けた。

俺はその後ぼーっとその場に座り込んでいた。そのまま眠っていたのかもしれない。
ふと気がつけばもう4時半位で、そんな時間になぜか目覚まし時計が鳴った。
それで嫁と息子が目を覚まし、俺も我に帰る。
はじめは全部夢かと思ったんだが、お札は確かに2枚あり、
ドアの外をうかがうと、廊下の突き当たりにかけてあった鏡が粉々に割れていた。
そして俺の携帯には、午前3時過ぎに公衆電話からの着信が残っていた。

怖い現象は、これ以降何も起こっていない。
霊能者1&2さんはそろって安全宣言出してくれた。
この分だと、「運び手」はご主人様の所に無事帰れたのだろうが、
でもそれはかけた相手が「自分が呪いをかけた事実」を覚えていたということで、
「ひょっとして俺達を恨む気持ちを、まだ持ち続けてるってことですか?」
と霊能者さん2に聞いたら、「その時はその時で」と流された。

霊能者1さんにも、いろいろと疑問点について尋ねたんだけど、
ああいう職業(?)の人って、秘密漏えいでも恐れてるのか、
こっちの質問にあんまりはっきりは答えてくれんのね。
「一応解決したんだし、お札2chにうpしていいですか?」って聞いたら、
それだけはやめろと止められたし。

呪いとか詳しい人、できたら分かりやすく解説してorz
割れた鏡とか、奴の行動パターンとかって、なんか意味あるの?

Aにもなぜ自分のお札を俺のカバンに入れて行ったのか、
なぜあの時電話をかけてきたのか聞いたんだが、
「いいタイミングだったでしょ(`・ω・´)ノノノシ」
というコメントだけで逃げていく。

ちなみに霊能者2さん曰く、Aは決して霊感が強い方ではないし、
(時々幽霊目撃する嫁の方がよっぽど強いらしい。)
少なくとも俺の前では、オカルト好きの素振りを見せたことない。
にもかかわらず、Aは何故かこの呪いに対して、
いちいち「一枚上手」的な行動をとっていたらしい。
霊能者さん達が困惑して、嫁にAの事詮索してた。
そのせいか知らんが、嫁がAに対して妙に突っかかるようになった。
おかげで最近ちょっとだけ嫁姑問題抱えた夫の気分w

延々と引っ張った割に不明点多くてサーセンwww
マジでこれだけです。


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