[遠吠え]
前ページ

気味が悪いし、一人で過ごすのがイヤだったので
3日目は隣の友人宅に泊まることにした。
友人は「バイトも休みだし。今夜は飲むか〜」と快く了承してくれた。
貧乏学生なので芋焼酎をちびちび飲んでいた。
程よく二人とも酔っ払い、俺もあいつのことはすっかり忘れていた。
ところが、夜中1時すぎに
「ワワワワワワ〜〜〜〜〜〜ン」

あいつだ。

隣で半分寝かかって転がっていた友人をゆすり起こした。
友人は「ん?」と目をぱちぱちさせながらぼんやりしていた。
俺「きたきたきた」
俺が聞き耳をたててじっとしている様子をみた友人は、同じくじっとして聞き耳を立てていた。
そのうち
カン カン カン カン・・・・
友人は驚いたような興味津々な目で俺を見つめる。
(しまった。電気けしときゃ〜よかった)
そして、黒い影がぼんやりとキッチンの窓に映った。
その影は友人宅を通り過ぎて隣の俺の部屋のほうへ行ったように見えた。
息をひそめて友人は玄関のほうへ様子を伺いにいく。
やめときゃいいのに。
そ〜〜と歩いてもぼろアパートの床がきしむ音は容赦なく響いた。
玄関前で聞き耳をたてて息を潜めている友人。
俺もその姿を部屋から見守っていた。

チャ 

突然友人の目の前の玄関のドアノブが鳴った。
こっちに来た!
鍵は閉まっている。
友人は玄関の覗き穴から外を伺った。

カチャ カチャ 

音は続く。
友人は覗き穴を覗いたまま、かたまっている。
そのうち突然くるりと振り返り、忍び足で部屋のほうに戻ってきた。
それから30分。
俺達二人は玄関からぎりぎり見えない壁側に背を向けて座っていた。
パタン
と音が聞こえ、そのうち遠くで遠吠えが聞こえた。

友人に
「覗き穴、なんか見えた?」
と聞くと、
「穴覗いたら真っ暗だった。つーかね、真っ黒だった。」
そのまま友人は黙り込んだ。
外の廊下は電気がついていたから、覗き穴覗けば何か見えるはずなんだけどね。

次の日からあの遠吠え女は隣の友人につきまとっていた。
思い起こせば、
「あんまみんほうがいいよ」って通りがかりのおばさんが言ったっけ。
目があったから俺のところにきたのか?
友人が覗いた先にあったものは遠吠え女の目だったのか。

とにかく、あれはいったいなんなのか・・・
人間なのか、幽霊なのか。。

時間があるときに続きを書きます。
仕事に行ってきます。


次の話

Part210
top