[コタツ]
前ページ

うちには猫がいるため、いつもトイレの戸を少しあけています。
(猫用トイレが、置いてあるんです)
ちょっとはしたない話ですが、一人で用をたす場合、
戸を閉めずに入ってしまうのですが、その日も、私は
トイレに入り、20センチほど戸を開けたままにしていました。

その隙間から、「それ」は私を見ていたんです。
直径30センチぐらいの高さの、人形のような人間でした。
おかっぱ頭のようなボブヘアで、ブラウスとスカートを履いた女の子。
大きささえ普通なら、近所の子供と変らないような子供。
「それ」がトイレの外から無表情に戸に手をかけて私を見てたんです。
思わず声を出すと、それはスーッといなくなりました。

消えてしまうと、今見たものが現実のものとは思えなくなり
「見間違いだったかもしれない。・・・猫を見間違えたのかも」と、
怖かったけれども気を取り直すことができました。

しかし、怖い体験はこれだけではなかったのです。
日も落ち、夕食を用意して炬燵に入ってテレビを見ていると、
やたらと飼い猫が騒ぎます。虫でも追いかけているのかな?と
放っていました。しばらくすると、静かになったので不信に思い
テレビから目をはなして、炬燵周辺を見ていると、四角形の炬燵の、
私の左側の炬燵布団が、モコモコと盛り上がり、こっちに向かっ来ています。
猫が入り込んでいるのだろうと、布団をめくると・・・何もいません。
背後で物音がしたので驚いて振り返ると、飼い猫は背後で走り回っていました。

 では、今の布団の中にいた生き物はなんだろう?

私はぞっとしました。

続く