朝、釣り人が、Cの死体を発見したそうです。
Cは溺死ということでした。
ただ不審なのは、水の浅い場所で死んでいたことでした。
泳いで溺れて流されたわけではなく、足を砂浜の方に向け、
顔を沈めてその場所で死んでいたとしか思えないということなのです。
誰かに頭を抑えられて死んだように・・・・。
それから、私たちは各々違う進路を進みました。
Aは大阪Bは東京に就職、私は京都の大学に進学しました。
卒業から1年半ほど経った夏、ふたつめの不幸が訪れました。
Bが亡くなったのです。
海水浴に出かけ、泳いでいる時に波に飲まれて水死したということでした。
Bの葬式の後、Aと私は、
BとCの死を偶然で、結びつきのないものだと考えるようにしようと、
話し合いましたが、各々内心怯えきっていました。
それからは何もない日々が過ぎ、BとCの死も心の隅に追いやっていました。
卒業から5年経っていました。
Aは結婚し、女の子を一人もうけていました。
私は単位の関係で大学にまだいなくてはならず、学生生活を楽しんでいました。
そんなある日、私の家の電話が鳴りました。
それは聞き覚えのない男性の声でした。
そして驚くべき事を耳にしました。
「Aの妻の父です。A君が海で溺れて亡くなりました・・・」
続く