[明晰夢]
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ドアが開くとそこは普通の地下駐車場。少し薄暗く、でもどこにでも
あるような普通の駐車場でした。車もちらほらと止まっています。
明晰夢の状態なのでさっさと外に出て、好き勝手にやろうかとも
思いましたが、今回はその夢にもう少し便乗しようと思いました。
ただの気まぐれです。そして、そこに止まっている車を適当に選び
ドアを開けて(当然どの車もドアは開く)キーを回してエンジンを
かけました。そして普通に外に出てみました。
しかし自分がイメージがそうさせているのか、外に出ても明るさからも
まだ昼間だというのに道路に一台も車が走っていません。
人も歩いていませんでした。普段見る場合は大抵現実と同じように
人が行き来し、ゴミゴミとした街中が出てくるので、なんだか貸し切りの
ような良い気分でした。辺りは高いビル郡が建ち並ぶ都心の
オフィス街のような雰囲気。そのまま車を適当な方向に走らせ
のんびりとドライブを楽しんでしました。

そのまま車を走らせていると突然バス停のような場所に一人の女性が
立っていました。そして手を上げています。
今まで全く人が登場しなかったので、退屈ということもあり
これはいい機会とばかりにその女性の前に車を止めました。
すると当たり前のように普通に車に乗り込んできます。
その女性は綺麗めな顔立ち、髪がセミロングくらいでベージュ色の
スーツを着たほっそりとした印象の女性でした。
なんだか嬉しくなり。車を走らせて、声をかけてみました。
とりあえず第一声は「こんにちは。」と。
すると笑顔で「こんにちは。乗せてくれてどうもありがとう」と
答えてくれました。そしておれは続けて、
「えーと・・お名前は?」と少し照れくさそうに聞いてみました。
すると「わたしは○○っていいます。あなたは?」と
聞き返してきました。「おれはA。よろしく」とすぐに返答しました。
その後も車を走らせながら(どこに向かっているかはわからないが)
ありきたりな会話をしました。そして、ふと我に返り、一ついじわるな
質問をしてみることにしました。

続く