[明晰夢]

まあつまりは明晰夢を
見ることができるということですね。
寝ていて夢を見ないということはほとんどなく、そのうち三回に
一回ぐらいは確実に夢の中でこれが夢だと気づくことができます。
慣れて来るとある程度コントロールできるようになり、
誰でも思い描くような空を自由に飛んだり、意識した場所に
無条件にテレポートすることができるようになってきました。
おれの場合は子供の頃から夢の内容をほとんど記憶していて
一時期は夢日記のようなものまでつけていたことがあります。
どうしてそんなことをするのかというと、いわゆる既見感(デジャブ)
が起こったときにそれを記録していると、その内容を改めて
見かえしてみると単純に楽しいからです。
そしてそれと同時に、「やはり運命というものはあるんだな」と
実感していました。過去に見た夢が数ヶ月、もしくは何年か経って
実現するのだとしたら、それは変えられないことに思えるからです。

しかし、やはり不安なこともあります。明晰夢じゃない状態、つまり
普通に夢を現実だと思っている状態で自分自身が死ぬ、という夢を
見たときです。もし、これが同じ状況で既視感が起こったとしたら
それはもう変えられないからです。とても恐ろしく思えます。

そして前置きが長すぎましたが、今回はその明晰夢の中での話です。
今まで見た中であの出来事が一番不思議でした。それをお話します。
いつものように眠りにつき、そして夢の中に入っていきました。
その日は夢の始まりが唐突にビルのエレベーターの中のような場所
だったので、なんなくこれが夢だと気づけました。
(現実的で尚且つ自然な始まり方だと気づかないときが多いです)
エレベーターは動いたままでした。どうやら下に向かっているようです。
回数のボタンをみると14階まであり、B2のボタンが点滅していました。
どうやら地下2Fに向かっているようです。
「チン」という音ともに多少の振動があり、そしてエレベーターが停止しました。

続く